東京・代々木の青山街道踏切が、「開かずの踏切」状態になっている。「モーニングショー」が16日(2019年12月)の午前9時から10時まで計測したところ、54分44秒が遮断されていた。渡れたのはたった5分44秒だ。
踏切の先にはオフィス街があり、仕事へ急ぐ人々がイライラしながら待っている。迂回すると10分以上かかってしまうため、遮断機が下りているにも関わらず強引にわたる人も多く、踏切内で立ち往生する車もあった。事故がいつ起きてもおかしくない状況だ。
高架も地下化も難しく、歩道橋のスペースもなし
この線路は元は貨物列車専用で、通過する本数は少なかったが、JR埼京線を始め、成田エクスプレス、湘南新宿ライン、11月(2019年)には相鉄線も乗り入れるようになり、そのたびに遮断機が下りている時間が長くなった。
国土交通省は、ピーク時の遮断時間が1時間あたり40分以上の踏切を「開かず」と定義し、全国で1000か所の踏切に2020年度中の改良を義務付けた。しかし、青山街道踏切は「改良すべき踏切」には指定されていない。調査したのがおよそ5年前で、当時の遮断時間は40分未満だったからだ。国交省は新たな調査を検討しているという。
地元の商店街の千駄ヶ谷大通り商店街の柳井照明会長は、「まず歩道橋を設置して、将来的に鉄道を地下化して、踏切をなくしてほしい」と話すが、それも難しいようだ。JR東日本は「高架化すると急勾配になり、貨物列車など安全運行ができず、地下化は地下鉄との兼ね合いもあり難しい」と話す。
歩道橋の設置について、渋谷区は「検討したが、歩道橋を作るスペースが足りない。具体的な解決策は今はない」と話している。