40年前の事件で受けた傷が癒えず、孤独に生きる男ダン・トランス(ユアン・マクレガー)は、彼がもつ特殊能力「シャイニング」につられ、どこまでも追いかけてくる亡霊たちから逃げるように放浪生活を続けていた。アルコール中毒にも悩まされていたが、友人ビリー(クリフ・カーティス)に助けられてフレイジャーという町のホスピスで働き始める。
平穏な日々を送るダンの元に、彼と同じく「シャイニング」の持ち主のアブラ(カイリー・カラン)という少女が現れる。アブラはその能力を使い、はるか離れたところで起きた少年殺害を"目撃"していた。殺害集団は、子どもたちのシャイニングを貪ることで数百年生き続け、そのためには手段を選ばなかった。
そのリーダーのローズ(レベッカ・ファーガソン)は、アブラの並外れたシャイニングを感じ取り、その力をわがものにしようと狙っていた。ダンはアブラを守るため、隠していた能力を開放し、ローズらと戦うことを決意する。
ファンをうならせた展望ホテルの完璧再現
この映画はスティーブン・キングの最高傑作と言われる小説「シャイニング」の40年後を描くと同時に、1980年に公開されたスタンリー・キューブリックの映画「シャイニング」の続編でもある。キング原作とキューブリック監督作では設定や結末にかなりの差異があり、ほとんど別物だが、この映画ではそれぞれのエッセンスや設定を踏襲しながら、両方の続編としての機能を果たしている。
前作でキューブリックがあえて詳細に描かなかった「シャイニング」という特殊能力を、今回はスプーンを浮かせるたり、人間が(意識の中で)空を飛ぶなど、これでもかと描いている。
ホラー要素としては、キューブリック版へのオマージュが随所に感じられ、前作の舞台である展望ホテルを、ワーナー・ブラザーズに保管してあったキューブリックによる設計図を元に、タイプライターの位置まで忠実に再現されている。まさに蘇った名作の姿でもあり、映画ファンを唸らせる。
シャーク野崎
おすすめ度☆☆