用を足す以外にトイレに長時間こもる人が増えているという。その人のことを「こもリスト」と呼ぶ。NEXCO中日本の調査によると、2007年から2018年にトイレの個室平均利用時間は、男性は26%、女性は33%長くなっている。
トイレの中で何をしているのか。街で聞くと――、「携帯電話を見たり、音楽を聴いたり。落ち着きます」(20代女性)、「お化粧をすます」(20代女性)、「ぼーっとしながら考え事をする」(50代女性)、「メールや通販サイトのチェック。最高の場所です」(50代男性)
「こもリスト」に対する怒りの声もある。「早くしろって、めちゃめちゃイライラします。ドアを蹴り飛ばして、こじ開けたいくらい」(20代男性)、「携帯のLINEの通知がピコンって鳴っているとか、許せないですね」(20代女性)、「男性の方に入っちゃおうかしらって思ったり」(70代女性)など。
リクルートはチャイムボタンで「早く出てよ!」
人材サービス大手企業のリクルートは、「こもリスト」対策に取り組んでいる。チャイムボタンだ。満員の時、外からボタンを押すと、中に「ピンポン」と音がする。全トイレの個室にこのチャイムを設置したのだ。その結果、男性の平均待ち時間は4.6分から2.7分に、女性は3.8分から2.0分と短くなった。
別の会社ではトイレのドアのそばに人が来ると、センサーが感知して、「1人待っています」、2人目が来ると「2人待っています」と自動でアナウンスするシステムもある。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト