東海道新幹線の車内で乗客3人を殺傷した罪などに問われた小島一郎被告(23)の裁判員裁判で、検察は9日(2019年12月)、無期懲役を求刑した。これは、小島被告の望み通りのものだ。小島被告はこれまで「一生刑務所に入るために無差別殺人を計画した」と語り、もし有期刑になった場合は「出所後に必ず人を殺す」とも証言している。
公判で「よし、人を殺せたぞ!という気持ち」と証言
公判で被害者や遺族の心を逆なでする暴言を繰り返してきた小島被告。犯行を止めようとして殺害された梅田耕太郎さん(当時38)については、「両手を突き出してきたが、私は無視してナタを首に叩き込んだ。痛みは長く続いたと思います」などと話し、「よし、人を殺せたぞ!という気持ち」「1人が出血多量で死ねば無期懲役。2人死ねば死刑になるので、やりすぎたかなーっと」など、時に笑みを浮かべナタを振り上げるしぐさを交えながら犯行を語った。
また、「謝罪すると情状酌量で罪が軽くなる」と言い、謝罪の言葉は一切なかった。
検察から「同情されたくない気持ちから、本心ではないことを答えている?」と聞かれた場面では「私は無期刑になれるようにしゃべっています。死刑になるかもしれないと弁護士に言われたので怯えています」と答えた。
「絶対に更生はしない」と大声で言い切った小島被告
9日の公判の最後、裁判長から「法廷で述べておきたいことはありますか?」と問いかけられると、小島被告は「無期懲役になったら社会に戻ってこられないように全力を尽くします」と答えた。法廷に響くほど大きな声だった。
若狭勝弁護士によると、無期懲役の刑の執行から30年たつと仮釈放させていいか審理されるが、その際最も重要なのは遺族感情だ。遺族が納得しない限り、基本的に仮釈放はないという。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「刑務所がホテルみたいな場所だと思っているのか」
青木理(ジャーナリスト)「僕は刑務所から出てきた人の話を聞きましたが、そんなに甘いものではない。死刑という刑罰があるが故に、死刑になって死にたいと周りを巻き込む人もいますよ。犯罪と刑罰というのはさらっと答えが出るような問題ではない」