6日(2019年12月)、文部科学省の前でデモが行われた。参加者は、センター試験に代わり2021年1月から行われる予定の大学入学共通テストに反対し、「入試改革いますぐ中止!」「民間業者に丸投げするな!」と訴えた。
問題となっているのが数学と国語の一部で導入が予定されている記述式だ。文科省は、マークシート方式と違って、思考力・判断力・表現力を評価することができるとしているが、様々な答が出てくる記述式では採点者によって評価の違いが生じる懸念がある。採点は通信教育や出版などの事業を行う民間業者、ベネッセの関連会社が担当し、学生アルバイトも採点を行う。
「学生アルバイトに採点されてはたまったものではない」
抗議活動に参加した高校2年生は「同じふうに書かれた答案が、同じ点数で採点されることが徹底されていないと安心して戦うことができない。最終的に試験がうまく回るか危惧している」と不安を語る。
大学入学共通テストを巡っては、これまでも反発が起きている。民間テストを活用する予定だった英語では、地域による格差などから不公平さが指摘され、「身の丈に合わせて頑張ってもらえば」と発言した萩生田光一文部科学大臣が発言撤回する騒ぎも起きたことで英語の民間テスト活用は来年度からの実施は見送られた。
国語と数学の記述式延期について、萩生田光一大臣は年内に結論を出す。しかし、デモに参加した「入試改革を考える会」の大内裕和中京大学教授は「年内などと言わず、一刻も早く実施延期を決定すべきです」とスピーチした。
近藤春菜(お笑いタレント)「採点基準が明瞭じゃない。受験する高校生に不安を与えていることがダメ」
杉山愛(元テニスプレイヤー)「採点者で見方が違うのは当然だが、採点に差があってはたまったものじゃない。きちっと議論して、答えを出した上でスタートしないと学生が振り回される。記述式は良い方向だと思うが、見切り発車はだめ」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「読解力、思考力は高校の時から訓練するので、方向としては間違っていないが、試験の中身と採点が問題。そこが解決しなかったらマークシートで行なうべき。これだけ問題視されているおだから一度立ち止まらなければ。」
司会の加藤浩次「高校時代の成績などを重視し、共通テストの重要性を薄くすればいいんじゃないか」
橋本五郎「推薦入学など、入試が多様化しているのも事実」