「桜を見る会」ケータリングもお友達会社――安倍昭恵夫人の親友の夫で「ドミノ・ピザ」根付かせた日系三世

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   「桜を見る会」疑惑で渋面の安倍首相についての記事が多い。週刊文春は、2013年からこの会に飲食を提供している「ジェーシー・コムサ」という会社は、安倍の妻・昭恵の大学時代の先輩で親友の夫がやっていると報じている。アーネストM・比嘉というハワイ出身の日系三世で、アメリカの「ドミノ・ピザ」を日本に持ち込み、宅配ピザを根づかせた人物だという。比嘉は安倍首相とは30代からの付き合いで、ワイフから安倍と昭恵を紹介されたそうだ。

   週刊文春によると、13年にはコムサの受注額は約970万円だったが、今年(2019年)は約2200万円にもなっているという。受注業者の選定は、「企画選定方式」がとられているが、13年以降は他社が受注したことはないそうである。

   比嘉は、安倍首相夫妻とは年に1、2回会うだけだというが、安倍の刎頚之友・加計孝太郎も安倍の紹介で会ったことがあると話している。ここでも、安倍首相夫妻の、自分の親しい人間たちに便宜を図る"悪癖"がでているようだ。

   さらに、今年4月には債務超過を隠して会員を勧誘したとして、特定商取法違反の疑いで家宅捜索を受けているマルチ商法の「ジャパンライフ」山口隆祥元会長にも、首相枠で桜の会の招待状が届いていた問題もある。山口は出席しなかったが、招待状の写真をパンフレットに掲載していたことから、マルチ商法に悪用されたという批判からは免れまい。

   前夜祭と桜の会に反社の人間が出席していたことも明らかになっている。なかでも、菅官房長官と一緒に写っているAという人物は、週刊新潮によれば、大阪で地下格闘技の団体をやっていて、そのうち飲食店などから「みかじめ料」を巻き上げるようになり、地元の暴力団とケンカ沙汰になってしまったそうだ。

   その後、沖縄に渡り、飲食店をやっているといわれるが、詐欺、傷害など多彩な前科のある人物だという。そんな物騒な人間もかなり紛れ込んでいたようだから、ちょっとしたきっかけで、暴力沙汰やテロ事件が起きても不思議ではなかった。安倍首相夫妻は、血染めの桜吹雪が舞い散る光景を見ることになったかもしれないのだ。

   この問題で追い詰められている最中の11月26日(2019年)には、イチローと会食していたと週刊文春が報じている。イチローが「日本の野党やメディアは酷い。もっとやることがあるのに、海外から見ているとバカらしい」と安倍に言って、安倍は「イチローさんはわかっている」とご満悦だったと首相周辺が話しているという。

   だが、FLASHはまったく違う話だったと報じている。同誌は、その場で、安倍首相が「国民栄誉賞を受けてもらえないか」と打診したが、イチローは「国民栄誉賞はいりません」と断ったというのだ。これで実に4回、イチローは国民栄誉賞を断ったことになる。イチローは、オリックスの井上亮社長と三井住友銀行の高島誠頭取と一緒に安倍に会ったと、FLASHの方が週刊文春よりも詳しいから、私はこちらの説を取る。

   さらに、FLASHによれば、その翌日は、横浜FCの三浦知良が菅を訪ねたという。J1昇格を報告しに行ったということのようだが、落ち目の菅がキング・カズの人気にスガったという図のようである。

安倍首相ヨイショして政敵のネガティブ情報流す「謎の組織」謀略戦では野党を圧倒

   安倍首相絡みでポストにこんな特集がある。国民政治協会という組織がある。自民党の献金の受け皿の政治資金団体で、企業や業界団体などから毎年30億円近い献金を集めている。最近までそこの「組織部部長代理」という肩書を付けたIというのが、「桜を見る会」に来てもらえる芸能人の取りまとめ役になっていたというのである。

   ギャラが出ないからと渋る芸能人たちをまとめているうちに、Iは安倍の「宣伝工作」を担うようになっていったという。安倍には、そうした下支えする組織がいっぱいあるそうだ。「自民党ネットサポーターズクラブ」もそうだ。会員は約1万9000人。安倍のサポーターが多いそうである。ネットで、野党らの批判勢力に対して、ネガティブキャンペーンを仕掛ける中心にはこの人間たちがいるそうだ。

   また、自民党にはネット監視チーム「T2」というのもある。ネット上で誤解に基づく情報がある場合、正確な情報に修正するそうだが、自民党や安倍に対して有利な情報に書き換えるということだろう。

   メンバーや所在地が不明な「謎の宣伝機関」といわれるネットサイト「テラスプレス」というのもある。ここは、安倍の政敵、石破茂などの批判をするから、安倍寄りのネットサイトなのだろう。神奈川県の県議の弟がやっているといわれる「政治知新」というのもあるそうだ。

   謀略戦では自民党&安倍側が数歩リードしているようだ。野党もどんどん発信すればいい。サイトなど1人でもできるし、しかも、何百人もいるかのように見せることも簡単にできるのだから。

紙は売れないがウェブでは急伸中の週刊文春!11月は6億3000万PV

   週刊文春の部数の落ち込みが止まらない。ABCによる2019年1月~6月の販売部数は28万7241部で、前期比91.53%、前年同期比だと85.58%という惨憺たるものだ。さらに酷いのは週刊新潮だ。20万部を切り19万7735部で、前期比で92.45%、前年同期比では何と78.65%である。週刊ポストも19万401部と下げ止まらない。

   週刊現代だけが20万8014部で目減りが一番少ない。他ではフライデーが8万865部、週刊朝日が7万3914部、FLASHが5万1943部、サンデー毎日が3万7971部である。

   スクープを売り物にしている週刊文春、週刊新潮がともに大きく部数を落とし、年金、病院、薬、ヘア・ヌードグラビアが売りの週刊現代が横ばいというのは、週刊誌という媒体の役割が終焉を迎えつつあると思わざるを得ない。

   <『文春オンライン』の11月の純PV(自サイトでのページビュー)が、月間3億495万PV(Google Analytics調べ)を記録し、開設以来初の3億PV超えを達成した。外部配信先での閲覧を加えた総PVは月間6億2703万PV。UU(自サイトでの閲覧者数)は月間3867万UUを記録。純PV・総PV・UUともサイト開設以来最高の数字である>(【文徒】2019年(令和元)12月5日より)

   ネットに注力すればするほど紙の部数が落ちていくというジレンマから、週刊文春は抜け出せるか。注目して見ていきたい。

「KARA」ク・ハラの自殺――背景に『反日』?ネットに「親日家!」「日本に帰れ!」

   私は韓国の芸能界事情には詳しくないが、アイドルグループ「KARA」の元メンバーだったク・ハラが自殺したというニュースには、無関心ではいられない。28歳の若さで亡くなるまでには、韓国の芸能界の非道な仕組みがあったようだが、週刊文春によると、「韓国芸能界の事務所は、日本のジャニーズ事務所を手本」としているというのである。

   たしかに、韓国の中堅事務所社長が話しているように、アイドルやアーティストになるためには、事務所のオーディションで練習生となり、数年間のレッスンを受けてデビューするのが普通だそうだが、この間のレッスン費用から生活費までを事務所側がほぼ全額負担する。

   休みなく練習をさせ、中にはデビューまでに1グループあたり10~15億円もかける事務所もあるそうだ。だから、事務所側は、投資した金額を回収するため、当初は給料を払わない、払うようになっても、事務所側の取り分が多くなるような不平等な契約をするそうである。

   したがって、売れてきても年収が日本円の2万円程度だったり、辞めたいというと、「お前らにいくら注ぎ込んだと思うんだ」と恫喝して、辞めさせない事務所が多いという。システムといい、事務所側の取り分を圧倒的に多くするなどのやり方は、日本で横行している芸能事務所のやり方と同じではないか。

   さらに、韓国では、パトロンへの枕営業も強要されるそうだ。ク・ハラは、2008年にKARAとしてデビューし、2011年には紅白歌合戦にも出場を果たしたが、事務所側の取り分が多すぎることで対立し、KARAは事実上、解散に追い込まれる。

   日本で大ブレイクしたことで、「親日家!」「日本に帰れ!」という罵声がネット上で浴びせられたという。交際相手とのトラブルから、法廷闘争にまで発展したことで、5月には一度目の自殺を図っている。その後、彼女側からオファーをして、日本の事務所と契約し、拠点を日本に移した。

   新譜を発表し、コンサートツアーを成功させ、来年1月には写真集を出す予定もあったという。10月には彼女の親友の元アイドルメンバーが自殺してしまう。一時帰国した際、同胞からの誹謗中傷などもあったのであろう。彼女の遺骨が安置されているソウル南東の盆唐スカイキャッスル追慕公園には、日本語で「ありがとう」「冥福をお祈りしています」という文字もあり、ここを訪れるファンの半分以上が日本人だという。

   彼女の自殺の背景にも、悪化する日韓関係が影を落としているようだ。

   慶應大学では、ハレンチな不祥事が続発していると週刊新潮が報じている。10月には、アメフト部が合宿中に露天風呂に入っている女性部員を盗撮したとして、無期限の活動自粛になり、11月には下着を盗んだ教授が現行犯逮捕された。

   今度は、「応援指導部」の中のリーダー部の女湯覗き、パンティ泥棒が明るみに出たというのである。私たちの学生時代は、女湯覗きは「肝試し」だと、見つかっても若気の至りで許されたものだったが、パンティを盗むのはれっきとした犯罪だろう(覗きもいかんのだが)。

   これだから、バカダ大学OBに「三田の色魔」なんていわれるのだ。福沢諭吉先生の理念「気品の泉源、知徳の模範」が泣いているぞ。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

姉妹サイト