「とくダネ!」にも出演したことがある有名フードアナリストの藤原浩氏 (55)に、詐欺を思わせるような金銭疑惑が浮上している。藤原に120万円を踏み倒されたと話している水戸市内でシフォンケーキ店を経営する水越建一社長によると、ことの経緯はこうだ。
去年10月(2018年)、大手広告代理店が出資してくれるので、共同で新会社を作ろうという話を持ち掛けられ、飲食チェーンの会社を辞めた。ところが、いつまでたっても話が進まず、藤原氏に問い詰めると「広告代理店の担当者の母親が亡くなった」「バイクの事故で担当者が亡くなった」とはっきりせず、ついには「万策尽きた」と藤原から涙混じりに窮状を訴えられ120万円を貸した。
その直後から連絡が取れなくなったという。水越社長は返済を求める訴訟を起こし勝訴したが、藤原とは連絡が取れず、今も返金はされていない。
もう一つは、茨城・龍ヶ崎市でコロッケが人気の高橋肉店を経営する社長の話で、店舗のロゴのデザイン制作を藤原氏に委託し数十万円を支払ったが、ネットのだれでも自由に使えるフリー素材に酷似していた。
自治体も信用させて「いばらぎ大使」や「山形県観光大使」
このほか、藤原氏をめぐる金銭トラブルは数多くあり、来週にも「被害者の会」を結成する準備が進められている。藤原が自称しているプロフィールには、食文化研究家、フードアナリスト、農林水産省「食のオフィシェ」など18種類の肩書が連ねられ、なかには、3日(2019年12月)に解任された「いばらぎ大使」「山形県観光大使・つや姫特命大使」「山口県萩市ふるさと大使」があった。
司会の小倉智昭「肩書は国家試験の資格と違って、自分がフードアナリストと決めれば、そうなりそうだものね」
若狭勝(弁護士)はこう解説した。「1つのパターンで何人もの人を騙すのは詐欺罪として警察も動きやすいが、今回のように虚言癖があって、パターンがいっぱいあると全部が嘘だと立証しないと詐欺罪を問いにくいんです。それにしても日本社会って肩書に本当に弱いですね。
かりに裁判で判決が出ても、行方が分からない、資産が分からないとなると、判決の効力も事実上なくなってしまいます。被害者の会で結束しようというのも、民事では片づけられず、刑事で犯罪として処罰してもらいたいということでしょう」