日本の高校生「読解力」急速に落ちた!OECD調査で8位から15位――原因はスマホのやり過ぎ

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   OECD(経済協力開発機構)は、世界79か国・地域の15歳約60万人の生徒を対象に、2018年に実施した学習到達度調査(PISA)の結果を3日(2019年12月)に発表した。科学、数学、読解力の3テストで、日本の高校生6100人も参加していて、科学は5位、数学は6位でいずれも前回より下がったものの上位に踏みとどまったが、読解力については前回の8位から15位に大きく下がった。

   読解力のテストはどんなものか。公開された設問は、ある大学教授のブログを読んで、「ブログによると、教授がフィールドワークを始めたのはいつですか」という問いに対し、4つの選択肢が示されていた。「これでしょ、読めば単純にわかるよね」と司会の加藤浩次はすぐに正解を見つけたが、日本の高校生の正答率は42.4%だった。

ネット漬けで大人の読解力も落ちている

   読解力が落ちていることについて、お茶の水女子大学文教育学部の浜野隆教授は「今の日本の子どもたちは、スマートフォンなどを使ってSNSのやりとりが非常に多いですよね。短文でのコミュニケーションで、長文を読んだり書いたりする機会が損なわれているんです」と指摘する。

   たしかに、今回の受験者たちのアンケート調査によると、「『毎日』『ほぼ毎日』チャットをする」と答えた子どもはOECD加盟37か国の平均は67.3%だったが、日本は87.4%に極端に高かった。

   坂口孝則(経営コンサルタント)「調査結果を詳しく見ると、漫画でもいいから本を読んでいる人、ネットニュースでも文字に接している人は比較的点数が高いですよね。スマホやネットを悪者にするのは間違いだと思います。むしろ、点数の低い人が増えているんです」

   モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「子どもの読解力を憂うることも大事ですが、大人の読解力も問題。ネットなどで言葉にせっかちに反応するのではなく、情報の裏にある意図やバイアスを読み込めないとダメです」

文   キャンディ| 似顔絵 池田マコト
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