日用品から美容院、進学先、大学の教授、就職先、老人ホーム、歯医者など、いまやネットでは何にでも口コミ評価が付くが、ネットショッピングで低い評価をしたら、2倍の金額を返金するからレビューを削除してくれという依頼が来たという。
ITジャーナリストの三上洋さんは「商品によっては、8割以上がやらせの書き込みの場合もあります」と話す。やらせは、イヤホン、折りたたみ傘、ヘアアイロン、ダンベルなどで、5000円以下の商品が多いという。「ライバル商品が多く、どれにしようか迷っている時に、最後の決め手になるのがレビューという、レビュー重要度が高い商品なのです」と三上さんは説明する。
口コミ件数が多い商品ほどよく買われる傾向にあるため、件数を増やすために自動で作られたレビューが載っていることもある。どうやら中国からのものらしく、変な日本語だったり、商品はUSBケーブルなのに「夏の通勤時に駅のホームで扇子の代わりに使える」「さわやかでセクシー」などと意味不明の評価が書かれていたりする。
やらせ口コミで月の稼ぎ200万円
いま横行しているのは、もっと巧妙化した口コミビジネスで、外国人と思われる業者が、日本人の一般消費者に偽の口コミを書かせている。業者はSNSで参加者を募集し、商品に星5つを付けさせ、絶賛コメントを投稿させる。信ぴょう性を持たせるため、「丁寧なレビュー」「最低100文字」「ビデオを付けて」などと投稿内容が指示される。口コミを確認した後に、その商品の購入代金を電子マネーで送金、商品はもらえるという仕組みだそうだ。
手元に残った商品はフリマアプリなどで転売し、利益を得る投稿者もいる。1回の口コミで500円などの報酬が出る場合もあるという。参加している30代女性は「私はだいたい月5、6万円の利益がある。なかには月200万円くらい稼いでいる人もいる」と話す。
三上さんによると、偽口コミを見破るポイントは、まず星5つばかりにレビューが集中していないか。複数の口コミなのに、投稿された時間がほぼ同じ。同じ人物が投稿している可能性がある。投稿者名がハンドルネームでなく、日本人のフルネームというのも怪しいという。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「結局は信用です。家電量販店などは、とんでもないもの置いていたら、その店の責任になってしまう。だから、信用が成り立つんです。口コミサイトのインフルエンサーとか、レビュアーって呼ばれる人には責任がないですからね」