年間平均気温は23度、手付かずの自然が残り、東洋一美しいとされる海を有する沖縄県宮古島。この島に今、異変が起きている。砂浜に、人、人、人、人。多くの観光客が押し寄せているのだ。しかし、観光客たちは吸ったタバコをポイ捨て、食べたアイスのカップを捨てたり、足を拭いたティッシュを放置したり、中にはズボンを降ろし排便する女性まで。
島の女性は「クルーズ船が入ってくるたびに嫌だと思う。『魔の水曜日』です」と嘆く。
ビーチを汚す中国人観光客のマナーがひどすぎ
島民を悩ませているのは毎週水曜日に入港するクルーズ船「ワールドドリーム号」。タワマンほどの巨大クルーズ船に乗って多くの中国人観光客が島を訪れるのだ。人口5万人の島に約3000人がやってくる水曜日には、中国人観光客がバスに分乗し、与那覇前浜ビーチを訪れる。地元の住民は「彼らが帰るとビーチが汚れている。悲しくなる」と話している。
事実、観光客が帰った後のビーチには、ペットボトルやティッシュなどのゴミが至る所に落ちている。中には、禁止されているバーベキューを行い、道具ごとその場に捨てていく者もいた。ビーチ近くのそば店では「ドリンクやファストフードの食べ物を持ち込んだりする。もう少しマナーがよくなればありがたいのだが」と嘆く。
その一方、恵の水曜日だというのはタクシーの運転手。毎週水曜日は、島のすべてのタクシーがほぼ貸し切り状態になる。
大型旅客機が発着できる下地島空港のオープン、伊良部大橋の完成により、5年前に年間40万人だった観光客が114万人に急増し、島民の生活は大きく変わった。中でも家賃の急上昇は島民の生活を圧迫している。観光客が増えたことで、リゾートホテルやマンションの建築が進み、島外からくる建設業者やホテル従業員の宿舎として多くの賃貸物件が借りられ、賃貸物件が不足しているのだ。そのため家賃が高騰、バブル状態になっている。
島民の収入の半分が家賃に消える
3年前から5人家族で宮古島に住む男性は、去年12月に管理会社から6万2000円だった家賃を9万円にすると言われ、困惑している。
例えば6畳、8畳の1Kの物件が8万円と、東京23区並みの家賃。しかし、島民の所得は東京の平均の半分以下で、月収に換算すると16万円ほど。収入の半分が家賃となってしまう。
MCの国山ハセンは「まさにバブルの光と影ですね」とコメント。司会の立川志らくは「マナーの悪さは民度の低さです」とバッサリ。
社会起業家の安倍敏樹は「マナーがよくなっていくためには、マナーを訴える一定のメッセージが必要になってくる。その中には罰金があってもいい」と提案。公認会計士の森井じゅんは「家賃の問題は宮古島だけではなく、観光が盛んなところはそうなっていく。宮古島だけの問題ではない。観光業というのは、一次産業、二次産業がダメな場合の最後の砦。本来、政府は日本がどんな産業を育てていくかを考えなければならない時に観光に頼っている」と指摘した。