奈良・田原本町の住宅街に「緑の壁」が要塞のようにそびえ立っている。20年以上前から放置されている建築用の足場で、蔦や雑草に覆われ、カメムシや蚊が大量発生して近隣住民が大弱りだという。緑の壁の中には築物の土台だけが残り、そこに水が溜まって、蚊はそこで大発生しているようだ。
この緑の壁は斜めに傾いており、一部には錆びも生じて倒壊の危険もある。隣人は「洗濯物にカメムシがついていたり、スズメバチが巣をつくったこともありました。先日の台風の時は、倒れるのではないかと怖かったですよ」と困り切っている。
途中で建築やめた住宅の足場!?所有者は「撤去するつもりない」
土地所有者である会社経営者を直撃すると、「あの土地には、自分が思い描く最高の家を建てようと思っていた。しかし、違法建築と指摘され、建築物を壊すように言われたので取り壊した。足場は建築物ではないので撤去していない。自分の土地に建てたものなので、近所への迷惑については自分には関係ない」という。そして、「緑の壁を撤去するつもりはない。迷惑ならば、住民が費用を出して撤去すればいい」と開き直った。
近隣住民は「なぜ私たちが金を出して撤去しなければならないのか」と反発しているが、当然だろう。町役場は特定空き家として行政が介入できないか検討したが、難しいと判断されたという。
文
バルバス| 似顔絵 池田マコト