今月6日(2019年11月)、高校生たちが来年から始まる大学入試共通テストについて、4万2000人分の署名を文部科学省に提出した。「準備が十分でないなら、記述式を中止すべき」としている。司会の羽鳥慎一は「まさにその通りですが、きょうは国語について見ていきます」と記述式入試の問題点を取り上げた。
現在の大学入試センター試験の国語はマーク式のみで200点満点だ。これが来年から記述式が3問加わり、3段階で評価されるのだが、大きな問題点が2つある。1つは採点者が大学生などのアルバイトであること、もう一つが委託された民間業者から問題や正答例が漏洩する恐れだ。
プロの教授でも「記述式の採点は色々難しい」
採点業務は教育事業の「ベネッセ」が約61億6000万円(2020年から4年間)で落札し、受験生50万人分の答案を20日間で採点するためには1万人のアルバイトが必要としている。受験生や保護者は、アルバイトが採点することに不安を募らせている。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)は憤然としてこう言う。「今も2次試験は記述式ですが、自分が行きたい大学の先生なり関係者が見て、この答えは違うなとか、うちの大学には合っていないというのならば、しょうがないと思えますが、どこの誰とも知れない、採点するのはある一企業でしょ、それもアルバイトでしょ。僕だったら、そんな人の採点で自分の人生を左右されたくないと思いますよ」
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏「記述式の採点は、大学教授などプロでも難しいといいます」
大学改革に詳しい多摩大学の田坂広志名誉教授「私も記述式の試験の採点をしますが、記述は稚拙だが、言っていることは深いというような回答をどうするか迷います。アルバイトになると、評価する基準が浅くなってしまうでしょうね」