皇位継承の儀式「大嘗祭」がきのう14日(2019年11月)午後6時半すぎからきょう15日午前3時半分にかけて行われた。非公開だったが、天皇は米や粟など神饌といわれる221品目の食べ物を、ピンセット状の木の箸で一つ一つ500回以上もかけて柏の葉を編んだ皿に移し、これを神に供えて国の安寧を祈ったという。
この所作について、皇室の歴史に詳しい京都産業大学の所功名誉教授は「神様にお供えし、最後にお下がりをいただくということを、丁寧にするということは真心の現れです」と説明する。
きょう午前0時半から始まった「主基殿供饌の儀」を取材したフジテレビの橋本寿史解説委員は、「両陛下のお姿はちらりとしか見えませんでした。神楽歌が流れ、おごそかな感じでした。正直言って、3時間もそこにずっといるのは、われわれも疲労しました。陛下も大変だったと思います」と話した。
税金を使うことには秋篠宮さまも問題提起
皇居近くでは、大嘗祭に国の税金を使うことに反対する人々が集会を開き、「お金は足りない人に回せ」「大嘗祭中止しろ」などと声をあげた。大嘗祭には、大嘗宮の建設など約24億円の国費が投入されている。これに対し、秋篠宮殿下は「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」「身の丈に合った儀式にすれば」などと問題提起している。
若狭勝(弁護士)「憲法の政教分離の原則という考えからすると、宗教色の強いものに国費を出すということは、憲法違反が問題になりうるとは思います」
中瀬ゆかり(「新潮社」出版部長)「(大嘗宮を今後取り壊すことは)一見、無駄に見えますが、こういう儀式は合理的なものだけでできているわけではありません。憲法や税金の問題もありますが、私は次元の違う儀式のような気もします」
所名誉教授「大嘗祭は国民の食べ物文化のお祭りでもあります。宗教性は有するけれど、むしろ伝統文化だと考えるといいと思います」
司会の小倉智昭「日本人の心の中には、こういうものを認めていいんじゃないかという人が相当多いと思います。ただ、金額があまりにも多いので、こういう議論になる。現代に即した形でどうやって残していくかが大切ですね」