もこもこキャラの「すみっコ」が劇場アニメ「映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」になって、大人を泣かせている。「思い出すだけで泣けてきちゃいます」という騒ぎになっているのだ。SNSでも「子どものほのぼの系だと侮ってはいけない」「子どもより大人が見た方がいいお話」といった書き込みが並ぶ。
コメンテーターの経営コンサルタント・坂口孝則までが、「終了15分前まではほのぼのだったのが、突然きました」という。どうやら泣いたらしい。
物語に登場するのは恥ずかしがり屋で気が弱いねこで、「すみっコ」はこのねこだけでなく、さむがりのしろくま、自信がないぺんぎん、切れっ端のとんかつ、正体をかくしているとかげなどがいる。グッズやゲームなどに商品化され、女の子(9~12歳)には、ミニオン、ディズニープリンセスを抑えて人気キャラの1位になっている。
映画はそんな「すみっコ」たちが絵本の世界に吸い込まれてしまったという設定で、一人ぼっちのヒヨコと出会って、ヒヨコの家を探す大冒険を繰り広げる。
男性限定上映会でも「自分に似てる」「涙と鼻水が止まらなくなって」
先週末の観客動員数は「ターミネーター」「IT/イット」に次ぐ3位。公開5日間で観客動員数14万人、興行収入1億6000万円を記録している。都内のある映画館は、1日4回の上映がすべて満席。はじめはのんびりと見ていた大人たちが、物語が終盤になるとハンカチで目頭を拭う。
感想を聞くと、40代の女性は「切なかったです。ほろっとくる」、30代の女性は「可愛いだけの話かと思ったんですけど、なんとも言えない気持ち」、20代女性は「まさかあんな展開になるとは・・・」と話す。
映画のプロデューサーの竹内文恵さんは、いろんな個性が互いを受け入れあっている姿が、「究極のダイバーシティーを実現した世界。いろんな見方ができるんです」と語る。
男性限定の上映会もあって、「自分に似てる。自分もすみっこなので」「涙と鼻水が止まらなくなって」と話す
ただ、司会の加藤浩次は「僕はスタッフから、泣きますよと言われたけど、全然だった」