「ふるさと納税によって流出している市税は、本来は、私たち川﨑市民のために使われる貴重な財源です。川崎市民の方が他の自治体に寄付をすると、川崎市の税収が減少する側面があります」」
川崎市がこんなポスターを、今月(2019年11月)から市内のあちこちの掲示板に貼っている。市税の流出総額は今年度(2019年度)は56億円にのぼる見込みだという。
川崎市は「ふるさと納税を市民が行うと困るというわけではありませんが、現状を知っていただきたいという思いで掲載しました」と説明している。
ポスターを見た市民は「そう聞かされると、今までよりも(ふるさと納税を)ちょっと減らそうかなと思っちゃいます」「魅力的な税制をやってくれればそっちに納めてもいいと思う」などと話していた。
流出額トップは横浜の137億円。川崎は3位で56億円
2019年度(見込み)のふるさと納税による住民税控除額の上位自治体は、1位は横浜市で137億円、2位は名古屋市の81億円、3位は大阪市の74億円、4位が川崎市となっている。ただし、地方交付税を加味した実際の流出額でみると、交付税を受けていない川崎市は56億円となる。
司会の小倉智昭「こういう話は、ふるさと納税がスタートした時から絶対起きると思ってましたよ」
三浦瑠麗(国際政治学者)「個人がお得なものに目をつけて行ってしまう理由には、自治体が住民としっかりとしたコミュニケーションをとれていないことがあります。川崎市はどう市政を良くしていくかも訴えるべきです」
那覇市が首里城再建支援のために呼びかけているふるさと納税には返礼品はないが、これまでに約5億500万円が集まっている。
小倉「日本にこういう寄付の制度が根付くといいんですけどね。そうすれば返礼品なんて考え方はなくなると思います」