今年(2019年)4月、母子が死亡した東京・池袋の暴走事故で、警視庁は運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(88)をきのう12日(2019年11月)、過失運転致死傷の疑いで書類送検した。飯塚元院長は取り調べに対し、「予約していたフレンチレストランの時間に遅れそうだったから」と供述している。
妻と娘を失った男性(33)は「半年前には生きていて、僕の声を聞いて返事してくれていた。それぞれの人生が当たり前のまま終わるように、そういう交通社会になってほしい。突然、奪われるのはあまりにも不条理だと思います。これが一歩、スタートラインに立って踏み出せることになるのかなと思います」と話した。
飯塚元院長は当初「ブレーキが利かなった」としていたが、捜査の結果、ブレーキに異常はなく、アクセルとブレーキの踏み間違いだと断定された。起訴を求める「厳重処分」の意見が付けられた。
70歳を超えていると刑の執行停止
この事件については、「旧通産省工業技術院院長というキャリアから、『上級国民』だから逮捕しないのか」といった疑問の声が上がったが、捜査関係者は「上級国民とか一切ない。骨折で入院していたし、逮捕できなかったという方が正しい。車やドライブレコーダーも押さえたし、目撃者にも話を聴けているので、逮捕の必要がないということ」と説明している。まあ、その通りだろう。
元検事の若狭勝(弁護士)は「逮捕されず、書類送検でも罪の重さは同じ。今後、起訴される可能性が高い」と話す。過失運転致死傷罪は「7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金」が科せられる。
ただ、実刑判決を受けても、服役しない可能性もあるという。若狭は「法律的には70歳を超えた場合は、刑の執行停止、つまり、服役しないですむという場合があると規定されており、飯塚元院長の場合、体がかなり弱っていることから、服役に耐えられないと判断され、執行が停止される可能性もあります」とみている。
司会の羽鳥慎一「年齢によって服役しない可能性もあるということは、どうなんでしょうか」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「納得できないでしょう。何らかの形で自由を奪うとか、なにかないと社会通念上無理じゃないでしょか。議論の余地があります」