「自分の部屋にカメラを設置して、トイレも脱衣所も寝室もすべて私生活を提供してくれれば月20万円支払います」と、東京都内のIT会社「Plasma」が募集したところ、すでに820人以上が参加申し込みがあった。
街で聞くと、賛否両論だ。20代女性は「そこまでしてお金が欲しいのでしょうか」、30代女性は「トイレとかお風呂とか無理だよねえ」、40代女性は「自分のプライバシーを守りたい」、60代女性は「いやあ、ちょっと考えられない」と、一様に否定的だ。
応募した29歳女性「抵抗ありません。面白い」
ところが、応募した29歳の女性は「抵抗はないですね。もともと実証実験にすごく興味があって、いろいろ新しいことに挑戦したいと思っていました。自分が普通に生活しているもの自体が価値になるのであれば、面白いビジネスだなと思いました」と話す。
月収約10万円でアルバイトしている男性(33)は、「報酬を使うのは生活費。それと知り合いに10万円くらい借金があり、とりあえず返金したい。脱衣所やトイレについては、病院で診察受けるときと同じ感覚。カメラを置くだけでお金をもらえるなら、こんな楽なアルバイトはない」と割り切っている。
820人以上が参加申し込み、5つの企業から問い合わせ
「Plasma」の遠野宏季社長は「ご自身の部屋の日常生活を、すべて死角なく動画でとらせていただく代わりに、お金を提供するといったシンプルな企画になっています。トイレにカメラを設置する理由は、トイレにどれくらい長くいるとか、頻度などを見て、病気や生活習慣を見ることができますし、脱衣所や洗面所では化粧や身だしなみについて、化粧品会社などが興味を持たれるのではないかと思っています」
すでに5つの企業から問い合わせがきているという。
司会の羽鳥慎一「どうですか」
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「個人的にはいやですが、こういうビジネスが成立する背景はよく理解できます。というのは、いまリアルなデータが一番価値があるんですよね。20万円は安いと思います。ただ、参加する人は集めたデータがどう使われるか、リスクについて知っておくべきですね」