「検察の場合は逃げられる、という空気が広がるのは絶対にあってはならない」
大阪府の吉村洋文知事は厳しく批判した。10日間に2人の被告の逃走を許した大阪地検のことだ。
きのう11日(2019年11月)、保釈を取り消された遊技機設置業の大植良太郎被告(42)が58時間ぶりに大阪市内で身柄を確保された。大植被告は覚醒剤取締法違反などの罪で今年(2019年)4月起訴され、その後保釈されたが、判決公判に出頭しなかった。
「手錠がきつい」というから外すと暴れて逃げた
このため、今月(2019年11月)8日夜に確保され、翌9日未明の護送中に逃走した。車には3人の検察事務官がいたが、「手錠がきつい」という大植被告の訴えに左手の手錠を外すと、暴れだし右手の手錠を持ったままドアを開け、逃走した。
大阪地検では先月(2019年10月)30日にも大阪府岸和田市内でひき逃げ事件で起訴後に保釈を取り消された被告の女に逃げられていた。検察の失態に「どうなっているんだ。原因追及もできていないのではないか」と怒りの声が上がっている。
元検事の若狭勝弁護士は「最近逃走するケースが多く、自分も逃げられるかもしれないと逃走を企てるのではないか」と指摘し、制度の問題について「被告の収容を担う検察事務官は普通の公務員。抵抗する相手を取り押さえる訓練はしていない。今後は警察官が同行すべき」と語る。
司会の羽鳥慎一「被告を護送するのに、警察官がいないとは。いままで疑問はなかったのでしょうか」
菅野朋子(弁護士)「警察と検察は役割がはっきり分かれているので、当然だろうなという感覚がありました」
羽鳥「でも、検察事務官は普通の人でしょう?」
菅野「事務官です。最近、保釈が増えているので、護送をする際の対策が必要ですね」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「警察官が同行すべきか、検察事務官に人員を要請するか、どっちがいいのか、考えなければなりませんね」