ベビーカーに双子を乗せた母親が、名古屋市営バスへの乗車を拒否されたとSNSに投稿し、問題になっている。スッキリは、投稿した名古屋市の女性(34)を取材した。
10月21日(2019年)、女性は区役所に行くため、1歳2か月の双子をベビーカーに乗せ市営バスの停留所に並んだ。混雑したバスを3本見送り、4本目のバスでようやく乗ることができると判断した女性は、運転手に「双子のベビーカーなんですけどいいですか?」と尋ねた。すると運転手は「車内が混んでいるので、自分で中に運べるなら」と答えた。女性は2人の乳児が乗るベビーカーを畳んで運び入れるのは難しいと伝え、車いす用のスロープを出してもらえるように頼んだが、運転手は無言だった。
運転手「車内が混んでいるので、自分で中に運べるなら」
「回答せず、表情も変えずという感じだったので、空気読んで諦めた方がいいのかなと思いました。どうしても、子どもも拒絶されたみたいな気持ちになってしまう。ショックです」と女性は話す。女性は徒歩で約40分かけ、区役所に向かった。
1週間ほどして、再びバスを利用する用事があり、事前に市営バスの担当者に問い合わせると「双子のベビーカーは乗車できない」と言われた。しかし、名古屋市交通局のHPには「ベビーカーに子どもを乗せたまま乗車できる」と記載されている。2013年からは2人乗りのベビーカーも乗車できるはずだ。
「運転手を責めたいわけでも、名古屋市を責めたいわけでもない。もう少し、みんな子どもに対して優しい気持ちでいてくれたらありがたい」と女性は話す。
「多胎育児のサポートを考える会」の市倉加寿代代表は「氷山の一角のエピソードです。勇気をもってツイートしたと思います」と話す。市倉さんによると、双子ママを対象にしたアンケートでは「外出に困難を感じている」という人が約90%。中でも、バスなどで乗車拒否されるという声が多いという。