<BACKSTAGE>(TBS系)
1日400万円売り上げるカリスマ実演販売士の「企業秘密」練りに練った台本、意表突くパフォーマンス

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   さまざまな仕事にスポットを当て、そこで働く人たちの熱い思いを掘り起こすドキュメンタリー番組で、「実演販売士」のロックオン錫村さんを取り上げた。スタジオでは、この10月(2019年)からMCとして加わった武井壮とゲストの菊地亜美がVTRを見ながらトークを展開した。

   錫村さんは36歳。年間200日以上も実演販売を行い、新宿の東急ハンズでは1日400万円を売り上げたことがある。実演販売士が扱う商品は、キッチン用品、美容グッズ、掃除用品など多岐にわたるが、錫村さんは洗剤・掃除用品に絞っている。洗剤は1000円以下と安い価格帯のものからあり、広い客層がターゲットになるからだ。「いろんな方に売れるという楽しみ。それが値段の安い洗剤の面白さ」なのだという。

必殺技は「しゃがみ落とし」

   東京スカイツリータウン内にある商業施設「東京ソラマチ」での実演販売では、汚れを浮き上がらせて落とす「超電水クリーンシュ!シュ!」という1000円強の洗剤と、自ら商品開発したという700円強のエアコン専用ブラシ「ファンファン」を持ち込んだ。デモンストレーションの前に台本を練り上げ、さらに当日の客の雰囲気を読みながら、内容を変えていく。

   必殺技は「しゃがみ落とし」。一通りの実演を終えたら、さっと実演テーブルの下に隠れて、客の自由にさせる。買いたい人はスムーズに買いやすく、帰りたい人は気持ちよく帰れるようにという配慮だ。

   多くの実演販売士がデモンストレーションの見せ場や最後に、「いくわよ!」「ここが瞬間最高視聴率!」など購買意欲を刺激する決め台詞を使うが、「それは『ここで買わなきゃいけない』というお客様へのストレスになる」と錫村さんは避ける。それで生まれたのが、「しゃがみ落とし」なのである。

   これには菊地も「しゃがみ落としは大賛成!サッといなくなってくれたらじっくり見れる」、武井も「いったん自分の世界で(商品を)見れるっていうのはあるよね」と納得だ。

   結局、この日は、10~17時までの販売で、超電水は47個、エアコンブラシが18本、合計62941円を売り上げた。これは、この場所での洗剤・掃除用品売り上げの最高記録だという。しかし、錫村さんは思ったようにはいかなかったと苦笑いしている。もっと売れると見込んでいたのだ。

油べっとりの換気扇の入手どこで?

   実演販売士は百貨店や小売店などで見かけるが、ここまで入念な準備をしているのかと驚かされた。油がべっとりついた換気扇、何年分もの水垢が蓄積した蛇口など、実演に必要なものを解体業者に探しに行くところから始まり、台本を作って事前に何度もそれを読みこむ。効果的な商品の見せ方のために、納得いくまでリハーサルを繰り返すなど、とにかく手間と時間を惜しまない。そして、当日は苦労を感じさせない笑顔で客を引き込む。

   錫村さんは客のニーズを叶える商品を生み出すため、メーカーに頼んで商品開発もする。先述のエアコン専用ブラシは3年ほど前から販売を始め、24万本売れている大ヒット商品だそうだが、物によっては商品化するまでは1000万円ほどかかるという。費用はすべて錫村さん持ち。なみなみならぬ実演販売愛を感じる。日曜日の夜、月曜から自分もまた頑張ろうと前向きなパワーをもらえる優良番組でした!(TBS系11月3日深夜11時30分~)

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