京都・祇園で、外国人観光客のマナー違反がいよいよ目に余るようになってきた。花見小路通は「一見(いちげん)さんお断り」のお茶屋や昔ながらの飲食店が立ち並ぶが、最近は大勢の観光客で溢れかえり、外国語が大声で飛び交う。夜になり、お座敷に向かう舞妓が姿を見せると、カメラに収めようと追いかけ回す。「舞子パパラッチ」だ。
舞妓歴2年目の豆誉(まめよ)さんは「走ってついて来て、そのままお茶屋さんの中に入ってきたり、自分らの家についてきたり。袖の中にタバコの吸い殻を入れられたという話もあります」と話す。店の前に座ってお菓子を食べたとか、提灯を持って行ったとか、店やなじみ客にも影響が出ているという。
このため、祇園町南側地区まちづくり協議会は、「私道での撮影禁止 許可のない撮影は1万円申し受けます」と書いた看板やポスターを設置した。法的な拘束力はないが、抑止力に期待しているという。
条例作って目に余るマナー違反は取り締まれ
しかし、この程度でマナーが守られるはずもなく、「気が付かなかった」「みんなやっていた」などと話し、外国人観光客の傍若無人は続いている。
協議会常任理事の太田磯一さんは「俗にいう舞妓パパラッチ。それが一番の問題になっています。本来の祇園っていう町のあり方が、外国人観光客につぶされているのが実情ですね」と話し、「できるだけ外国人観光客の方はご遠慮願えればと思うのは、本音の部分なんです」と語る。
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「ヨーロッパでも、観光公害が問題になっています。そこに住んでいる人が普段の生活ができなくなると、本末転倒ではと思いますね」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「京都市も観光客を増やそうという方針があるなら、税収も上がるはずですから、それをコストとして、条例を出すなど対策をとるべきですよ」