川原喜美子(戸田恵梨香)は実家の家計の厳しい状況を見て、信楽に帰ろうと決意を固めて一度大阪に戻る。出迎えた荒木荘の仲間たちに泣きそうになりながら、話し始める喜美子。
喜美子「うち、信楽帰ることにしました。大久保さんからはまだ認めてもらえへんけど...」
よく見ると、新聞記者の庵堂ちや子の姿がなかった。
喜美子「ちや子さん...は?」
「ほんまにありがとう」喜美子はちや子に手紙を書いた
荒木荘の仲間である田中雄太郎(木本武宏)は、歌声喫茶「さえずり」に喜美子を誘った。マスター(オール阪神)が話しかけた。
マスター「ちや子さん、新聞社辞めたぁ!って泥酔してな。ぐでんぐでんやった。上司がなんも言わんでよそに移ったて。よっぽど堪えたんやろな。」
雄太郎「それで俺とさださんで抱えて荒木荘に戻ったんや。さださんがゆうてた。女一人働いてると、いろいろしんどいことがあるんよって。それで黙って見守ろうゆうてな。しばらくしたら、ちや子さん実家に帰るとかゆうて」
その夜、喜美子はちや子に手紙を書いた。
そして翌朝、荒木荘の仲間が汽車の時間に間に合うように集まってくれた。そしてちや子がいない中、皆で明るく信楽に帰る喜美子を見送るのだった。
それからしばらくして、ちや子が荒木荘に帰ってくる。がらんとした部屋を見て喜美子が信楽に帰ったと知る。「そうか、行ってしまったんか、キミちゃん」とちや子は雄太郎から渡された手紙を広げた。
(喜美子からの手紙を読むちや子)
<ちや子さん・・・うちに二つの道がありました。荒木荘で働いて週3日学校に通う道、ジョージ富士川さんから新しい世界を教わって・・・わくわくしました。もう一つは信楽に帰る道。どうなっていくか想像つかへん。でも勇気を出して、信楽に帰る道を選びました。自分で決めたんです。そやから、最後にちや子さんに会いたかった・・・。新聞社辞めた聞きました。心配やけど、きっとちや子さんなら大丈夫。いつかこの道選んでよかったと、笑って会える日がきますように。今日にて荒木荘、卒業させていただきます。ほんまにありがとうございました。>
ちや子は立ち尽くしたまま、繰り返し手紙を読んだ。(NHK総合あさ8時放送)