喜美子(戸田恵梨香)は大阪の下宿屋「荒木荘」の女中で得たお金をせっせと信楽の実家に仕送りしているのに、夕食の肉じゃがには肉はなく、母親のマツ(富田靖子)の薬代も払えないことに愕然とする。父親の常治(北村一輝)が足を挫いて長い間仕事をすることができず、酒ばかり飲んで借金がどんどん増えていたのだ。
妹の直子(桜庭ななみ)から事情を聴いた喜美子は、大阪に戻る予定を取りやめて実家に戻った。お母ちゃんが作物もない畑で、風呂焚きの足しにしようと小枝や枯葉を拾っていた。「喜美子、忘れ物かい」
喜美子は黙って薬袋を渡す。ちょっとだけ支払いしてきた。他にもあるんやて?」。母親から借金が途方もない金額になっていることを知らされた。さらに遠慮がちに話しはじめる。「お父ちゃんは、喜美子に帰って来てほしいねん。照ちゃんとこの丸熊陶業、盛況でな。若い人募集してるんよ。雑用やけど。ほしたら、今度こそ喜美子。雇ってもらえるいうてな」
喜美子「女の子でも?」
マツ「せや」
話を聞いた喜美子は急いで丸熊陶業に向かった。
今度こそ丸熊陶業で雇ってもらえそうだ
丸熊陶業の作業場の前で立っていると、社長の熊谷(本田大輔)が職人と話しているのが見えた。そして喜美子の幼馴染みで、社長の娘の照子(大島優子)が現れた。「喜美子、なんでここにいるの。うちに会いにきてくれたの」
照子は再会に喜ぶが、喜美子は今度こ丸熊陶業で採用してもらえるのかと聞く。「ほんまや。約束に一筆書いてるて、ゆうてた」
大阪では、喜美子からの「もう戻らない」と電報を受け取った荒木荘の仲間が集まっていた。(NHK総合あさ8時)