<スカーレット>(第32話・11月5日火曜放送)
妹の百合子がお母ちゃんの薬をもらいに行くという。だが、病院にかなりのツケが溜まっていた

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   喜美子(戸田恵梨香)が帰ってきたと聞いた中学の同級生たちの仲間が集まって、歓迎会が開かれた。昔話で楽しく過ごしたあと、幼馴染みたちは夜遅くに帰っていったが、お父ちゃんの常治(北村一輝)は酔いつぶれている。喜美子と母親のマツ(富田靖子)は、台所で皿洗いをしながら話す、久しぶりに話す。

   マツ「さすがあんた手際がええねえ」

   喜美子「お父ちゃん、あんなこと言うてたけど、荒木荘をほっぽりだすようなことできん」

   まだ酒の抜けない常治が起きてきて、大阪に戻るという喜美子から話を聞こうとする。お母ちゃんは喜美子が大阪で結婚するのだと誤解していた。

   喜美子「結婚ちゃうわ。落ち着きたいなんて、そんなつまらんこと考えたことないわ。大阪には働いてる女の人、ぎょうさんいるんよ。みんな生き生きとかっこよく自分の人生を・・・」

   常治「やめい。おい。何かぶれてきてんねん。2年、3年働いたくらいで世の中知って気になるな」

   喜美子はひるまず、大阪で働きながら美術学校に行く夢を明かす。

   常治「誰が学校なんか行けゆうたか。大阪行く前に、信楽におりたいゆうて泣いたやろ」

   喜美子は声を絞り出すように、あの頃とは違うとつっぱねる。「お正月には帰ってきますし、改めて話します。うちは仕事があるんで、あす大阪に戻らせてもらいます」

   お母ちゃんは黙って喜美子の言葉を聞いていた。

必死に仕送りしてるのに、お金はどこに行ってしまっているのか

   喜美子と常治は仲違いしたまま翌日を迎えた。大阪に戻るつもりで家を出た喜美子を、妹の百合子が泣きながら追いかけてきた。実はお母ちゃんの貧血で薬をもらいに病院へ行くのだという。「ほな、汽車を一つ遅らせて、うちが代わりに行ったる。百合子は学校に行き」

   すると、百合子がそれはダメだという。「お姉ちゃんは大人だから・・・」。どういうことなのか。そこへ幼馴染みの大野信作(林遣都)が通りかかった。「病院け?」と聞く。

   喜美子「信作、何か知っとるんやね?」

   信作「病院のツケが溜まってんねん。支払いや。大人が行ったらツケ払ってください言われんねん。百合子やったら子供やしな」

   喜美子はそれを聞いて気恥ずかしくなった。毎月必死で仕送りしているのに、そのお金はどうなっているのだろう。信作は「3年もおらんかったら、まあいろいろあるわな」とやさしくいって、畑の1本道を自転車で去っていった。(NHK総合あさ8時)

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