巨額予算使って開催するうまみなし
元マラソン選手の増田明美さんは「IOC決定のタイミングがわるすぎましたよね。次のパリ大会以降の発展につなげてほしい」という。
2004年には11都市がオリンピック開催に立候補したが、24年の開催に名乗りをあげたのは5都市で、しかも3都市が途中でとりやめた。残ったパリとロサンゼルスが24年と28年の開催都市になった。32年はどうなるかわからない。
いまや、オリンピックは巨額の予算をかけて開催するほど魅力あるイベントではなくなっているのだ。東京が失敗すれば、「持続」の危機に陥る。「黄色信号が点滅する状態で、一つの都市、たとえばアテネでずっと開く考え方もあります」と友添教授は解説する。
スポーツ部の原口秀一郎・IOC担当デスクは「国をまたいで既存の会場を使うとか、夏の開催時期を変えるとかの可能性はあります。一方で、(主催都市の)東京が置き去りにされたという不信感が、これからの開催都市選定にマイナスの影響もあるのではないか」と指摘する。都市開催というオリンピックはもう無理ということだろう。
*NHKクローズアップ現代+(2019年10月31日放送「東京五輪マラソン・競歩"札幌開催"の波紋」)
文
あっちゃん