政権ナンバー2菅官房長官ピンチで息吹き返した安倍首相が狙う「都知事選・改憲解散ダブル」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   文春砲が菅原一秀経産相に続いて、河井克行法相(56)の首も取った。見事なものである。河井も菅原と同じ初入閣。慶應大学卒業後に松下政経塾を経て、広島県議から1996年の衆議院選に出馬、当選する。

   菅官房長官とは当選同期で、菅側近として知られているそうだ。菅原も、最近評判の悪い小泉進次郎環境相も、菅に近い。何やら"謀略"めいたものを感じるが、それは後で触れるとしよう。

   河井はこれまでもパワハラやセクハラが問題になったことがあるが、今回は、選挙中にウグイス嬢たちを「違法に買収」していたというものだ。それも、妻の河井案里(46)が7月に行われた参議院選に出馬した際、開票が始まっていた選挙事務所の奥で、選挙を盛り立てたウグイス嬢たち一人一人に、日当3万円を払っていたというのである。

   公職選挙法でウグイス嬢の日当は上限1万5000円と決まっている。そのため、ウグイス嬢たちには2枚の領収書にサインをさせていた。1枚は選挙費用として選管に届け出る。もう1枚は宛名が違い、名目は人件費(ウグイス嬢としてではなく事務所の手伝い)となっていたという。

   週刊文春は、その疑惑を立証する領収書の写しと裏帳簿を入手した。さらに、ウグイス嬢たちを直撃している。彼女たちは「選挙前にお手伝いをしたことはない。日当は法定通りの1万5000円です」と答えたが、「それ(上限以上を払うこと)は、どこの事務所でもやっていることじゃないですか」と、暗に認めた者もいる。

   さらに、河井陣営は、広島市や福山市で、郵便配達を使ったポスティングや、自動音声による電話かけと、物量作戦を繰り広げたという。なぜそこまでカネを投じたのか。改選議席数2という広島選挙区では、自民党の溝手顕正と野党候補が当選する無風区だったが、安倍首相批判を繰り広げる溝手に安倍や菅が怒り、河井の妻を立候補させ、「二人当選を目指す」と、二階幹事長、菅や河野太郎などの大物たちを次々に投入したのだ。

   そういう中で起きたウグイス嬢買収"事件"である。これは「買収した人もされた人も、三年以下の懲役・禁固又は五十万円以下の罰金に問われます」(上脇博之神戸学院大学法学部教授)

   同じようなケースは6年前にもあった。生活の党から出馬した広野充士元参院議員の陣営が、ウグイス嬢に3万円を払い、秘書が逮捕され、有罪判決を受けている。今回、指揮したのは案里の公設第二秘書を務める立道浩で、週刊文春の直撃に、「私はいわれた通りやっただけです」と、河井夫妻からの指示だったことを認めたのである。

   法の番人が犯した犯罪。週刊文春発売と同時に、河井克行法相は辞任した。菅原は辞任の際、「慙愧に堪えない」といった。自分の罪を恥じる気持ちを我慢することができないという意味だが、「遺憾に思う」と同じで、心底恥じてなどいないはずだ。「オレは運が悪かった」、そう思っているに違いない。

   だが、菅官房長官ははらわたが煮えくり返っているはずだ。側近を大臣に押し込んだのに、ともにスキャンダルで辞任してしまった。誰かが、ポスト安倍の先頭にいるのオレを潰そうとしている。そうした疑心暗鬼になっているのではないか。そのうえ、オレのポチになりたがっていた小泉進次郎も環境相に入れてやったが、この男も結婚してからの言動に批判が集中し、力にはなりそうもない。

   そんな菅一派の窮状を横目で見ている安倍首相は、「11月衆院解散、12月総選挙」を考えているかもしれないと、サンデー毎日が報じている。もっとも、台風19号の大災害が起こり、予備費5000億円では足りないから、来年の通常国会冒頭で補正予算を成立させるため、年内解散は消えたという。

   それでも、次なる手があるそうだ。何としても憲法改正を成し遂げたい安倍は、次期総選挙を「改憲解散」とし、来年、東京オリンピック開催前に都知事選があるので、それに合わせて「都知事選ダブル選挙案」がいわれているそうだ。どちらにしても、レイムダック寸前の安倍自民党が、総選挙で憲法改正を発議できる議席数を獲得するとは考えられない。

滝クリ・進次郎夫婦のふざけた資産公開「妻は2億9001万円、夫はゼロ」

   落ち目の小泉進次郎に、また週刊文春が噛みついた。今度は妻の滝クリの「金銭感覚」についてである。10月25日(2019年)、新閣僚たちの資産公開が行われ、小泉はトップの2億9001万円と公表されたが、その全部が妻・滝クリの資産で、進次郎の分はゼロだったのだ。

   これは、全閣僚の中でも麻生太郎に次いで2番目。内訳は国債が1億5000万円で株式はない。その他の有価証券で1億800万円を保有しているという。滝川が2008年に共同テレビを退社してフリーになった頃、国税庁のOBの税理士に資産管理を相談していたが、その人間は、顧客に脱税を指南したとして15年に逮捕されていると、週刊文春が報じている。

   ともあれ、フリー転身後はCMにも活躍の場を広げ、東京五輪のプレゼンで「おもてなし」を披露して再びブレークして、年収は1億円を下らないそうである。高級ブランドで身を包んで、高級外車を乗り回し、住むマンションの家賃は月80万円以上といわれるそうだ。

   そんな高給取りを妻にしていれば、夫は資産ゼロでも困らないのかと思ったが、そうではないようだ。国会議員の資産公開には裏があるのだ。資産公開の項目には「預貯金」があるが、公開の対象になるのは定期預金だけで、普通預金や当座預金は含まれない。進次郎は資産を普通と当座に預けているから、公表しなくてもいいのだ。

   今年7月に公開された進次郎の昨年1年間の所得額は2031万円。結婚前、彼女との逢瀬には、東京プリンスホテルが使われていたようだ。資産公開で滝クリの資産家ぶりが明らかになったため、進次郎は「ルールではあるが、率直に(妻に)申し訳ない」と語ったが、上脇神戸学院大教授は「配偶者の資産まで公開の対象になっているのは、政治家の資産隠しを防ぐためです。小泉氏の『申し訳ない』という発言は、資産公開制度の趣旨を理解しているとは思えません」と厳しく批判する。

   滝クリは9月に出た「徹子の部屋」(テレビ朝日系)で、「主導権は私だと思う。(夫が仕事では)指揮を執る立場で、家でも指揮するのは疲れると思うから」と発言したという。環境相としては自分流を出せず、原稿は読み上げるだけでは、指揮を執っていることにはならないと思うが。

   その頃、妻は家で、週刊誌の「進次郎が捨てた『女子アナ彼女』」という記事を熱心に読んでいて、夫が帰ると、「ねぇねぇ載ってたよ」といって、その週刊誌を渡すそうだ。小泉進次郎の公私は、ともに明るくないように思える。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週 刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007 年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマ イライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。 編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町 づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必 勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

姉妹サイト