日本はもう「先進国」じゃない!輸出急減、賃金・年金低下、労働生産性最下位、AI分野は置いてきぼり・・・

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   久しぶりの「そもそも総研」コーナーのテーマは、「そもそも日本は『もはや先進国ではない』ってどういうこと?」だ。ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は「日本はAI(人工知能)分野で、いつの間にか後進国になってしまった」と語っているが、はたたしてAI分野だけなのか。経済評論家の加谷珪一氏は「日本は多くの面で先進国から取り残されており、それはさまざまなデータに現れている」と言う。

   加谷氏は「一時期、豊かな国になりかかったのですが、他国と比べたら貧しい国になってしまった。先進国と言うには無理があります」として挙げたデータは、「労働生産性」だ。事業で作り出した付加価値を労働者数、労働時間で割ったもので、労働の効率を示すが、日本は1970年以来ずっとG7で最下位なのである。OECD(経済協力開発機構)36か国中でも20位前後をうろうろしている。

GDP3位でも「一人当たりGDP」はずっと下

   取材した玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)は「それでも、日本はGDP(国民総生産)は世界第3位ですよね」と食い下がるが、加谷氏は「日本が2000年に世界第2位になった時は為替のマジックがあったからです」という。1985年の「プラザ合意」で1ドル250円だった円が、短期間で80円台の円高になった。ドル換算すると3倍の貨幣価値になったので、GDPも数字の上で3倍になっただけ。「購買力平価」という指標を使って一人当たりGDPを計算すると、バブル期の10位から18位に下がっているという。

   このほか、世界の全輸出の中で86年には8.9%のシェアがあったが、現在は3.8%に下落。中国、アメリカの10%以上、ドイツの8%と比較すると、大きく見劣りする。OECDの調査では、平均賃金は19位、教育に対する公的支出のGDP比は40位、年金の所得代替率は41位、障害者への公的支出のGDP費は32位、失業に対する公的支出のGDP比は31位など、挙げていけばキリがないほど低い順位にある。加谷氏は「80年代に先進国になりかかったが、また昔に逆戻りした」と言う。

   アシスタントの斉藤ちはるアナは「ショックです。どうしたらいいか不安」と落ち込むが、玉川は「真実とは不都合なもの。そこから目を覆うか、対策を講じるかで違ってくるんです。資源のない国は人材に投資しなければ先進国のままでいられるわけではない」

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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