ジコチョーとは事故調査のこと。松雪泰子扮する「失敗学」を専門とする天才学者・天ノ真奈子が、さまざまな事故の原因解明に挑むミステリー・エンターテインメント。「陸王」「半沢直樹」の八津弘幸、「おっさんずラブ」の徳尾浩司のオリジナル脚本というから、面白くないわけがない。
松雪が演じる真奈子はチャーミングである。遠い昔に松雪が演じた「白鳥麗子でございます!」の白鳥麗子を彷彿させるわがままで自分勝手で、だけど憎めないキャラ濃いめなところもいい。事故原因が分かると「私、失敗しちゃった!」という決めゼリフを言うのは、あきらかに「ドクターX~外科医・大門未知子」の「私、失敗しないので」を意識していて笑える。
そういえば、オープニングのナレーションによる語りも、「ドクターX」を彷彿させる。いまどき平均視聴率20%取れるドラマはそうそうない。「ドクターX」にヒットの法則がありと研究し尽くしたのだろうか。
升毅、マキタスポーツ、嶋田久作・・・賑やかな毎回ゲストに期待
真奈子に振り回されっぱなしの助手・野津田(堀井新太)。研究室にはほかに有能秘書の辻留(須藤理彩)、手先が器用な助手・西峰(高橋メアリージュン)がいる。研究室も個性豊かで、楽しい場面に仕上がっている。初回からちゃんとチームの雰囲気が出ていた。
そして、2話から登場したのが、余貴美子扮する南雲喜里子だ。日本を代表する工学者で国立工学創造センターのセンター長で、実は真奈子の母。彼女を産んですぐに離婚し、養育をせず、仕事に生きた結果、現在の地位を手に入れ、そのことに一切の後悔はないとうそぶく。そんな母を疎みながらも、なぜ真奈子が母と同じ道に進んだのかなど、これからの展開に期待したい。
第1話では升毅やマキタスポーツ、第2話では宅間孝行や嶋田久作など、ゲスト俳優も楽しみだ。(金曜よる10時~)
くろうさぎ