東京五輪「マラソン・競歩」札幌開催の裏で仕掛けられてるカジノ北海道誘致
IOC(国際オリンピック委員会)は、カタールのドーハで行われた陸上の世界選手権で、女子マラソンの出場68選手中28人が暑さと湿気で棄権したことを見て、突然、東京オリンピックのマラソンと競歩を札幌でやると発表した。これに小池百合子都知事は怒り、「北方領土でやったらどうか」という支離滅裂な暴言を吐いて、笑い者になった。
誰が考えても、真夏の東京でマラソンをやるなど正気の沙汰ではない。だが、ここまで来て突然の変更には、どんな裏があるのか、週刊新潮が興味深い記事を掲載している。
札幌に会場を変えたとしても、さまざまな問題は残る。スタートする会場をどこにするのか、選手たちの宿舎、観客たちのホテルはどうするのか。北海道は観光シーズン真っ盛りである。いくつかの祭りやスポーツも予定されている。それを押しのけて、やれるのだろうか。
来週30日から11月1日に行われるIOC調整委員会で、大会組織委員会や東京都などと協議したうえで「正式決定」になるが、小池都知事の逆襲はあるのだろうか。なにしろ、東京都は道路の反射熱を抑える舗装工事にすでに約300億円もかけたから、それが無駄になってしまう。簡単に小池が引っ込むとは思えない。それに、組織委の森喜朗とは犬猿の仲だ。
小池には分が悪いと、週刊新潮は見ているようだ。その裏に、カジノ利権が見え隠れするというのである。いまカジノの有力候補地は、大阪、菅官房長官の地元の横浜だが、小池はカジノ誘致には熱心ではない。そこで、菅と結びつきの深い鈴木直道・北海道知事、橋本聖子五輪相などが、マラソン札幌開催をテコに、北海道(苫小牧市という名が挙がっているようだ)へカジノを誘致しようと蠢いているというのだ。そうなれば、カジノのうち2つが菅案件となり、がっぽり利権が入って来るというわけだ。そんな汚れた思惑で、札幌マラソンを実現してほしくはないが、IOCの突然の心変わりは、暑さだけではなく、何かもう一つ裏がありそうな気はする。