お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実の個人事務所「チューリップ」が、東京国税局から約1億円の申告漏れと約2000万円の所得隠しを指摘されていた。徳井は23日夜(2019年10月)、大阪の吉本興業本社で緊急会見を開いた。徳井はこの会社を通じて、吉本興業から支払われる出演料を受け取っていた。
国税庁が指摘したのは2点。1つは、2012~15年の4年間に、経費として計上していた私的な旅行や洋服代など約2000万円の所得隠し。もう1つは、2016~18年の3年間の無申告について約1億円の申告漏れ。計7年間で1憶2000万円にのぼる。
会見で徳井は「納税の義務はわかっています。税理士から、申告について連絡も来ていました。本当にルーズで、どんどん先延ばしにして、やりますやりますと思っているうちに、3年経ってしまいました」と釈明した。しかし、国税庁関係者は「直近の1年だけなら、バタバタしていて申告を忘れることはあるが、3年は悪質」と話している。
重加算税などを含めた追徴金3400万円は、指摘を受けた昨年12月(2018年)に支払ったという。
国税庁は「仮装隠蔽」など悪質と判断
ゲストの東京国税局の元職員で税理士の佐藤弘幸氏は「税務調査の時効は通常5年です。7年前まで調査したのは、仮装隠蔽があるなど、悪質と判断したからではないでしょうか」と解説した。仮装隠蔽とは、売り上げををごまかしたり、経費をねつ造する行為だ。
テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「2016~18年の無申告は論外だが、15年までは申告していて、いったん税務署もOKしていたわけですよね。それをさかのぼって指摘して、所得隠しというのはどうかなと思います。やっぱり、給与から税金を引かれてしまう私たちサラリーマンから見たら、不公平感がありますよ」
吉本興業から支払われる出演料を、個人として受け取り確定申告をすると、税率は所得税と住民税を合わせて最大55%だが、会社を設立すると、法人税など約29%となり節税できる場合がある。
司会の羽鳥慎一「影響は大きいと思います」