川原喜美子(戸田恵梨香)宛てに実家に空き巣被害にあった知らせがきて、さらに父親の川原常治(北村一輝)が、喜美子の給料を前借りしに大阪に向かったと聞いて絶句する。
その後、喜美子は気もそぞろだったが、平常を装って働いていると、案の定常治がやってくる。常治が荒木荘の前でためらっていると、荒木荘の女中の先輩である大久保のぶ子(三林京子)がすぐに気づく。
大久保「キミちゃん、あんたのお父さんやな。ささ、あがってもらわな。お茶いれるよって」
大久保は父・常治に「娘さん、頑張ってはりますよ」
大久保を交えた久しぶりの親子の再会だが、事情を知る喜美子と常治は緊張感が漂っていた。
喜美子「あの・・・父が話しがあるそうです」
常治「えっと・・・」
空き巣被害の事情を知らない大久保は微笑んだ。
大久保「頑張ってはりますよ。ええお嬢さんですね。辞めたいゆうようなことも言い出さんと、よう働いて・・・」
常治と喜美子は給料の前借りをどちらが切り出すか、押しつけ合っている。すると大久保から思わぬことを切り出す。
大久保「私は夏にはおいとまします。それまでにキミちゃんにすべて引き継ぎを終わらせんと」
そして、ストッキングの繕いは安い給料を補うための内職であったことも明かされる。しかも預かっていた内職代をその場で渡された。
「え?12円!」喜美子と常治は同時に驚く。
喜美子は、大久保の計らいに感謝して、内職の給料の大半を常治に渡すのだった。そして常治を駅まで送っていく途中、盆も正月も信楽に帰らずに、大阪の荒木荘で働くことに決めたと告げる。
常治は背を向けて駅に向かうが、喜美子の言葉に涙をぬぐうのだった。(NHK総合あさ8時放送)