台風19号による水害で、あらめてわかったのがハザードマップの正確さだった。ハザードマップは土地の成り立ちや地形、過去の災害などをもとに市町村が作っている。
茨城・水戸市の那珂川沿いで、ハザードマップの浸水想定区域の縁に位置する家があった。3メートルほどコンクリートの擁壁を打ってかさ上げしてあったが、すぐ下の畑は、マップ通り、水に浸かった。川の決壊個所から50メートルほどの73歳の女性の家は、130センチまで浸かった。マップでは水没地域だった。
宮城県・丸森町の60代の男性の家は、1メートルの水に浸かった。ハザードマップでは浸水想定区域に入っていて、水かさの想定は3~5メートルだった。それよりは低かったわけだ。
近くの「丸森まちづくりセンター」(2階建)に避難したが、ここも1階は水に浸かった。このセンター、実はハザードマップでは水没区域にあったのだが、役所は「これまでも避難所だったので」と、今回もそのまま指定していた。ハザードマップをちゃんと見ていたのだろうか。
経験に頼らず最新情報で危険度をチェック
司会の加藤浩次「ハザードマップの重要性がよくわかりましたね」
菊地幸夫(弁護士)「われわれは、各地の災害をテレビで見ていて、ある意味、見慣れているから、それがリアルに自分に迫ってくるという受け止めとはギャップがあるのではないでしょうか。わかっていても動けないとか」
取材を担当した阿部祐二リポーター「ハザードマップを上回るのが経験則なんですね」
加藤「今回、想定外はなかった」
阿部「それでも、避難場所へ行くより自宅がいいという人がいます」
「命を守る行動を」と気象庁が繰り返したことで、早めの避難が増えてことはよかった。