東京オリンピックのマラソンと競歩を札幌で開催することで、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は合意したが、小池百合子都知事は「まさに青天の霹靂。涼しいところでと言うなら、北方領土でやったらどうか」と怒る。
吉永みち子(作家)「マラソンと競歩以外にも、暑さは馬術の馬にも負担があるし、トライアスロンだってありますよね」
マラソン解説者の金哲彦氏は「自転車だってそうですよ。なぜマラソンと競歩だけ」
スポーツキャスターの長嶋一茂「ゴルフだってテニスだってそうですよ」
50年以上前の東京五輪でも「真夏は不適」とされたのに
実は1964年の東京オリンピックでは、7~8月開催、5月開催、10月開催があったが、真っ先に消えたのが7~8月開催案だったという。「気温、湿度ともにきわめて高く、選手にとって最も条件が悪く、最も不適当」ということだったのだ。
ところが、今回の招致活動では「この時期は晴れる日が多く、温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスできる」と説明していた。
テレビ朝日コメンテーターの玉川徹「8月の東京は開催に不適格という、不都合な真実を隠していたということです」
アメリカの放送局が支配する「オリンピック帝国主義」
そもそも、2020年の五輪は7月15日から8月31日の間に実施することが条件だった。理由はアメリカのテレビ放送局の都合だ。9月1週にアメフト開幕、10月上旬にメジャーリーグのプレーオフ、10月中旬にNBAが開幕する。これと被らないように、夏にやってほしいというわけなのだ。
IOCの収入の8割を占めるのが放送権料で、その半分くらいがアメリカの放送局。2016五輪招致をすすめた鈴木知幸氏は「莫大な放映権料を支払う条件として米国のテレビ局が開催期間をリクエストしてる」と語っている。
スポーツライターの小林信也氏は「柔道着の一方が青くなったり、ボルダリングのルールも変えられたり。トライアスロン、野球も放送に適するようにルールを変えられました。文化として発展したスポーツを無視する部分があります。これを私は"オリンピック帝国主義"と呼んでいる」と批判した。