東京オリンピックのマラソンと競歩の会場が札幌に変更になったことに、小池百合子・東京都知事は「涼しいところというのなら、北方領土でやったらどうか」と憤懣やる方なしといった表情で言い捨てた。
今月3日(2019年10月)に、東京オリンピック組織委員会の森喜朗会長らも参加して開かれたIOC(国際オリンピック委員会)理事会で、暑さ対策の話が持ち上がった。今月10日には森会長と菅官房長官が会談し、この時点で日本政府に「札幌変更案」が伝えられたという。この間、開催都市の東京都は蚊帳の外で、小池知事は「たぶん東京が最後に知らされたんじゃないかと思います」と話している。
日本オリンピック委員会(JOC)元参事で、スポーツコンサルタントの春日良一氏は、この舞台裏には、小池知事のボート会場の変更騒ぎがあると指摘する。「スポーツ界の常識では、IOCが決めた会場を動かすということはすごいこと。(小池知事に対する)不信感があったのではないかと思います。今回の件は、バッハ会長や森会長らが極秘裏に進めていました」
開催都市が蚊帳の外とは東京をなめてないか
若狭勝(弁護士)「蚊帳の外に置かれた小池知事が怒る気持ちはよくわかります。知事が入るとややこしい話になるので、森さんが知事に話さずに進めたのでしょうが、開催地の知事のところに話がないのは、手続きとしてもおかしいと思います」
中瀬ゆかり(「新潮社」出版部部長)「バッハ会長はあんなにコスト削減を言っていたのに、結局かなりのコストが無駄になりますよね」
司会の小倉智昭「アメリカがこだわっている開催時期に合わせるからおかしくなるんですよ。バッハさんは札幌ドームが野球とサッカー専用で、トラックはないことをご存知なのかなあ」
納得のいかない小倉は、番組の最後でも「しゃべり足りないので」とこの話題を取り上げた。「10か月前で間に合いますか。選手と関係者だけでも3000人いて、ホテルはとれない。コースの公認をとるのも簡単ではありません。警備もボランティアの人も大変です。これはまだまだ物議を醸すと思います」