喜美子(戸田恵梨香)は元女中である大久保のぶ子(三林京子)の厳しい指導のもと、荒木荘で忙しく働いていた。ある晩、酔っ払った父親の川原常治(北村一輝)が荒木荘に電話をかけた。電話の向こうから喜美子の声が聞こえる。でも、常治はなにも話さない。
「荒木荘でございます。どちら様ですか。もう切りますよ」
そして電話は切れた。常治は肩をふるわせて「喜美子」と泣き出した。やはり淋しいのだ。
幼なじみの熊谷照子(大島優子)からは写真が同封された手紙が届き、楽しい高校生活を送っていると綴ってあった。
「荒木荘」の下宿人・新聞記者の庵堂ちや子は「信楽焼なの?ええ色やなあ」
荒木荘に新聞記者の庵堂ちや子(水野美紀)が夜遅く帰宅した。「ただいま。喜美子さんまだいるん?」
喜美子「お帰りなさい。お茶漬けにしましょうか」
二人はおしゃべりが弾み、謎の住人である田中雄太郎(木本武宏)や信楽の話で盛り上がった。喜美子は大阪にお守りとして持ってきた信楽焼のかけらをちや子に見せる。「へえ。ええ色やな。うちの上司に頼んで、どういうあれか調べてもらおうか?」
ちや子は古い信楽焼きには高い価値があるのだと言う。
喜美子「ぜひ、調べてください。ほんまにえらい価値があったらどうしよう」。想像を膨らませて喜んだ。(NHK総合あさ8時放送)