全日本テコンドー協会と強化選手との対立が深刻化する中、今日8日(2019年10月)に都内で開かれる理事会で、金原昇会長を含む全理事16人の総辞職が審議される。総辞職の提案に対し、出席した理事らによる投票が行われ、過半数で可決するというが、理事の中には会長に忖度する人物が多いため、過半数を超えるのは難しいという声もある。金原会長による独裁体制は変わるのか...。
「スッキリ」には、総辞職を提案する「反金原派」から、副会長の岡本依子さんと、理事で1992年のバルセロナ五輪の日本代表だった髙橋美穂さんが出演。
1年以上前から合宿に選手が集まらなくなった
高橋さんは「合宿に選手が集まらなくなったのは1年以上前から。そのころからずっと『選手の声に耳を傾けてほしい』と理事会で話してきた。それでも動いてもらえず、『この体制ではダメだ』と何度も訴えても現状の体制のまま進んでしまう」と協会の在り方を批判。「もうこれ以上、選手を救うために理事として中でできる手だてはないと思ったので」と、出演に至った理由を語った。
一方の金原会長は7日、スッキリのインタビューに答えた。しかし回答は、選手たちの主張との隔たりが目立つばかりだった。まず、指摘される会長の独裁体制に対しては「独裁的なことはできないシステムになっている」と反論。9月(2019年)に開かれた合宿を選手26人がボイコットしたことについては「ボイコットは4人だけ。あとはケガや学校のテストなどだった」と説明した。
髙橋さんは会長の主張に対し、次々と反論。「形としては、コンプライアンス委員会があったり、理事を選ぶ選考委員会があったりする。ただし、その中身に金原さんの力が入っているので、独裁的な状況になっています」と髙橋さん。「今回、回答書を理由にボイコットしたのは4人だけですが、実質的には不参加だった選手のほとんどがボイコットでした」と主張する。
金原会長がいる限り、また同じ組織ができる
金原会長には、2016年に一度会長を辞任したものの、1年後に再び会長に返り咲いたという過去がある。理事会が解散したとしても、同じことが起きてしまう可能性は?
髙橋さんによると、その可能性は十分にあるという。「理事とか役員を決める役員選考委員会の委員長が金原さんですから。金原さんが退任しないと変わりせん」
司会の加藤浩次「金原体制の反対派は16人の理事の中で、3人から5人しかいない。総辞職が否決された場合、それで終わりでいいのか聞きたい」
髙橋さん「終わりにはしないです。私たちも理事である限り、中でやれることは全てやっていきたい。だからこそ今回、『勝てない』と思っても総辞職を提案しました。世の中のみなさんがおかしいという声を上げても変わらないのなら、それ以外の策を見つけるしかありません」
岡本さん「今まで変わらなかったのは自分が何もしなかったから。(泣きながら)選手たちが声を上げてくれたので、私も何かできることがあったらなと思っています。今やらんとあかんと思っています」