長崎で住民と所有者が真っ向対立 生活道路を突然封鎖し、通行料1万円請求の真相

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   長崎市青山町の生活道路が突然バリケードで封鎖され、土地の所有業者が通行料1万円を要求している。10月2日に道路にコンクリートブロックが置かれて以来、車が入れなくなった地域ではさまざまな支障が出ている。

   郵便局員はバイクを降り、坂の多い地区を歩いて配達。介護施設の車やタクシーも入れず、高齢者は買い物にも困っている。道路の所有会社はタクシー会社に対してもこの地域に入らないよう連絡をしているという。3日には住民たちはバリケード撤去を求める仮処分を申し立てた。

「道路を使わないと外に出られない場合は、私道でも通行権ある」

   この地区は昭和40年代に住宅地として開発されたが、当時はまだ道路は舗装されず砂利道。側溝もむき出しだった。住民たちは費用を出し合い、道路を整備してきた。市役所に陳情して材料をもらい、自分たちで舗装してきた。

   仮処分申し立てについて土地の所有者は「書類が届いていないのでコメントは差し控える」としているが、住民側の弁護士は「住宅販売のパンフレットに"通れます"と宣伝しており、"通行権"があると考える」とコメントしている。みずほ中央法律事務所の三平聡史弁護士も「所有業者が変わっても、"通行権"が認められた最高裁判決もある」と話している。

   いったいなぜ業者は道路を封鎖し、通行料を要求しているのか? 業者は長崎市に対して道路の寄付を打診したが、側溝にフタがないことやガードレールがないことなど市道の条件を満たしていないとして、この打診を拒否。業者は住民に買い取りを打診して、金額3000万円を提示したが、住民側がこれを断った。それが道路封鎖・通行料要求につながったということらしい。

   長崎市では道路整備をするための費用の9割を助成金として交付するという話があったが、これを業者に伝えそびれていたため、3日に初めて業者側に伝えたというが、果たしてどうなるか。

   テレビ朝日解説委員の玉川徹は「感情的な対立になってしまっている。市には寄付するといっておいて、住民には3000万円というのはおかしい」とコメント。弁護士の山口真由は「その道路を使わないと外に出られない場合には、私道でも通行権はある」と話す。

   司会の羽鳥慎一は「坂道も多いので大変」と、住民の苦労を慮った。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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