選手たちが東京オリンピックに向けた強化合宿を拒否している全日本テコンドー協会は、1日(2019年10月)に初めて選手側との話し合いの場を設けたが、選手たちが途中退席するという異例の事態になった。
選手たちが不満を抱いているのは「合宿に参加しないと協会選手から外される」「合宿での指導者が普段のコーチと違う」「費用は補助金以外は選手が負担」などだ。日本選手権8連覇中で、選手たちのまとめ役である江畑秀範選手(27)は、「1か月に1度の強制合宿と所属での練習内容が全然違う。信頼関係がない状態で五輪に行くのは不安すぎる」などと訴えている。
この問題を含め協議が行われるはずだった協議会には、協会幹部や選手ら計30人が参加したが、選手6人のうち5人が「全然話がかみ合わなかった。ここにいる意味がないと思い、退席しました」(江畑選手)と退席した。
ところか、金原昇会長は「非常に有意義な議論が行われました。きょうは直接、選手たちの意見を十分取り入れて、強化作りにおいても非常に参考になるものだと思っております」などと、全く違う説明をした。
五輪メダリストの岡本依子副会長「解散して新しい団体を」
テコンドーの五輪メダリストで、協会の副会長を務める岡本依子さんは、「会長はこのままの体制でいくことが前提で、選手たちの意向も反映させると漠然としていました。選手たちはそんな域を超えていて、この体制でいくとかはあり得ないですよ。選手は絶望している」と話した。今後については、「解散して新しい団体を作るつもりでいった方がいい」と言う。
会長の人柄について、岡本さんは「非情なところがありますね。選手に対し、愛情を感じるところもありますが、選手が力を出すことよりも、自分のパワーゲームが大切」と言う。
ワンマンと言われることについて、金原会長は「独裁という言葉は非常に刺激的ですが、今の現状、独裁のしようがない。1つの話題性じゃないですか」ととぼけてた。