ブレーキのないトロッコが線路を走り、2方向に分かれた先にそれぞれ5人と1人が線路に縛りつけられている。あなたならどちらの線路に向かうか――そう問いかける心理教材「トロッコ問題」の授業が5月(2019年)に山口県岩国市の小中学校で行われ、賛否が渦巻いている。切り換えレバーを引けば1人、引かなければ5人が死ぬという設定だ。
ブレーキのないトロッコの線路に人が縛り付けられ...
キャスターの立川志らく「朝から重い問題ですね。とくに、小学生には早すぎる」
若林有子アナウンサー「わたしは高校の倫理の授業でやりました」
岩国市では小学5、6年生と中学2、3年生の学級活動の一環として、イラストを見せながらスクールカウンセラーが対話形式で実施した。「極限の状態で究極の選択を問う」というが、保護者からは「自分の子にはやってほしくない」「べつの教え方はないのか」と抗議が出た。一方には「すごく高度なことをやっている」「学ぶ機会だからしかたない」の声もあった。
司会の国山ハセン「子供も保護者も意見が分かれました」
「グッとラック」がネットで200人に聞くと、学校で扱うべきだと答えたのは45%、扱うべきでないは55%だった。
教育委員会サイドは「周りの人に助けを求め、相談する大切さを学ぶ心の教育」と解説するが、志らく「(イラストには)相談の選択なんかないじゃないか」
鴻上尚史(演出家)「相談するうちに死んじゃう。教材としてあっていない」
教育評論家の尾木直樹さんは「多くの意見があるはずなのに、二者択一の問い自体がおかしい」という。学校側は抗議を受けてすぐに「不安な気持ちを生じさせた」として謝罪文を配った。
鴻上「この早さは異常」、志らく「オソマツだな。教育のポリシーがない。教える側が教え方をわかっていないのではないか」