小学5年生の算数のテストの答案用紙が、ネットで論争になっている。割り算の筆算問題で、正解の「丸印」がついているその横に、「-1」と減点されているのだ。「定規で線を引かなかったから減点」ということらしい。この5年生は「本当は90点くらいだったのに、79点になりました」と口惜しがっている母親も「早くて正確なのが大事。シャレではないけど、杓子定規。驚きました」と語った。
ネットでは「ダメなの?」という驚きや、自分も経験があるなど、さまざまな書き込みがある。そもそも、この「筆算式の定規使用」については、西日本新聞が「宿題の計算問題160問を、定規を使っていないという理由ですべてやり直しさせられた」と、福岡県の事例を報じたのがきっかけである。
街では「おかしいよね」「全部ダメっていうのはかわいそう」など、この措置には納得がいかない人が多い。しかし、元教師は「計算式の線は定規でという考え方がある」と話す。
三浦瑠麗「東大にそんな人いなかった」
教育評論家の石川幸夫氏は「定規で線を引くことには、意外な効果がある」として、「物事に丁寧に臨むことで成績が上がるという研究があります」と話した。成績上位の子供を4歳から6年間追跡調査した研究によると、成績がよく、伸び率が高い子供の特徴で一番多かったのは「丁寧さや正確さ」だったという。「ケアレスミスが少なくなり、大きくなっても影響する」と石川氏は解説する。
「僕は定規なんて使いませんよ」と司会の小倉智昭。笠井信輔アナは「私は字が汚かったので、定規を使って書いていました」と言うと、「その割には今もケアレスミスあるよね」とツッコミを入れて大笑い。
笠井アナが100円ショップで買ってきた「筆算定規」というミニサイズの定規を見せると、東京大卒業の国際政治学者の三浦瑠麗は「東大生のノートという商品も売れていましたが、私の知る限り、東大生できれいにノートをとっている人なんてほとんどいなかった。きっとこれは、大人の教えを従順に聞くかどうかという教えやすさの問題。本当の能力とは分けて考えてほしいです」