<なつぞら>(第155話・9月27日金曜放送)
嵐が襲来!停電で牛の乳搾り器が動かない・・・大樹じいちゃんが怒鳴った「手で搾るんじゃ。みんな来い」

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   なつ(広瀬すず)はすっかりおしゃれになった帯広の菓子店「雪月」を訪ねた。主の小畑雪之助(安田顕)や跡取りの雪次郎(山田裕貴)は、いっぱいの菓子でもてなす。なつは、とよ(高畑淳子)から泰樹じいちゃん(草刈正雄)の話を聞き、胸が熱くなった。じいちゃんはなつたちが作ったテレビアニメ「大草原の少女ソラ」の朝日の場面を見て、感動したと言いに来たという。それはまさに、なつが見てほしかった場面だった。

   夏のある日、空が急に暗くなり、遠くで雷が鳴りだした。嵐が近いのだ。

   柴田牧場ではお父さんの剛男(藤木直人)と長男の照男(清原翔)が、図面を広げて何やら話し合っていた。照男のアイデアで、古い牛舎を建て替え、新しい設備を導入しようというのだ。

   多額の借金をすることになるので、剛男とお母さんの富士子(松嶋菜々子)は心配そうだが、泰樹は「照男の好きにすればいい。これは照男の開拓じゃ」と物分かりの良さを見せた。昔の泰樹からは考えられない発言だ。

「牛が鳴いているのが聞こえんか」

   その晩、やはり十勝は嵐に襲われた。あちこちに落雷があり、雨風が荒れ狂い、翌朝も収まらない。一帯は停電になってしまう。電気が使えないと、乳を搾るバケットミルカーや牛乳を冷やすバルククーラーが動かない。牛は乳を搾ってやらないと、たちまち乳房炎になってしまう。

   牛も昼ごろまでは待てるから、電気の通るのを待とうと言う照男を泰樹が大声で怒鳴りつけた。「牛が鳴いているのが聞こえんか。すぐに牛舎に行け。牛は決まった時間に搾ってやるからわしらを信用して、いい乳を出してくれるんじゃ。手で絞るんじゃ」

   40頭の牛の乳を手で搾るのは簡単なことではない。でもやるしかない。「手の空いているものはみんな来い!」と、泰樹は牛舎に駆けていく。「あんな声、まだ出るんだ」と、富士子は少し嬉しそうだ。(NHKあさ8時)

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