自転車の危険運転による事故が増加するなか、東京都は今月18日(2019年9月)、自転車の保険の加入を義務付ける条例改正を行った。来年4月から施行される。
これにさきがけ、東京都豊島区は来月1日(2019年10月)から義務化さする。大阪府、兵庫県、京都府、埼玉県、名古屋市、さいたま市などでは、すでに加入を義務付ける条例が制定されている。
背景にあるのは、自転車事故と高額賠償金請求の増加だ。東京都内の自転車事故は2016年の1万417件から18年には1万1771件と増加していて、交通事故全体の36パーセントを占めている。
保険評論家の山野井良民氏は「スマホを見ながら、イヤホンを聞きながらの事故が増えてきています。それによって、賠償金額も高額化しています」と説明する。
携帯電話を操作しながら自転車に乗っていた女子高生が50代女性と衝突した横浜市の事故では、被害者は歩行困難となり、女子高校生に約5000万円の支払いを命じる判決が出た。兵庫県内では、小学5年生の男児が60代の女性と衝突、女性が意識不明の重体となり、神戸地裁は「自転車の運転に十分な指導をしなかった」として母親に約9500万円の賠償を命じた。
自動車免許返納で増えてる高齢者チャリ
保険加入は保険会社のホームページやコンビニなどで可能で、月々約100円の掛け金で最大1億円の賠償額にも対応するタイプなどさまざまある。交通事故問題に詳しい高橋裕樹弁護士は、「すでに加入している火災保険や自動車保険に自転車が含まれている場合もあるので、重複しないよう確認してみてください」という。
原晋(青山学院大陸上部監督)「自転車の購入時に義務化して、払わなければ購入できない仕組みにすればいいのではないでしょうか。自分のためですから」
菊間千乃(弁護士)「私の父は、自転車事故の当て逃げにあって、治療にすごくお金がかかりました。最近、高齢者の自動車運転免許の返納が増え、その代わりに自転車を使う人は多いと思うので、自分を守る意味でも保険は安いと思います」