アメリカ・ニューヨークの国連本部で23日(2019年9月)に開かれた気候行動サミットで、環境保護を訴え続けているスウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさん(16)は、各国が温暖化対策に真摯に取り組まず、結果として若い世代を裏切っていると強い口調で非難した。
グレタさんは「私たちは大量絶滅の始まりにいます。なのに、あなたたちが話すことはお金のことや永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よくもそんなことが言えますね(How dare you)」と怒りに満ちた口調で訴えた。
そして、「未来の世代の目はあなたたちに向けられています。もしあなたたちが私たちを裏切ることを選ぶならば、あなたたちを絶対に許さない」「私たちはこの場でこの瞬間から線を引きます。ここから逃れることは許しません」と迫った。
汚染押し付けられる次の世代
グレタさんは昨年8月(2018年)、たった一人で活動を始めた。毎週金曜日に学校を休み、スウェーデンの国会議事堂前で座り込みをしたのだ。この活動は「未来のための金曜日」と呼ばれ、徐々に広がっていった。先週20日には、日本を含む世界160か国以上で、グレタさんに賛同をした約400万人が地球温暖化対策を訴えてデモをした。
国立環境研究所の江守正多さんは「彼女の存在意義は、次世代が利害関係者であるということを可視化したことです。財政の問題ともよく似ていますが、大人が将来世代にいろいろ押し付けていても、子どもは何も言えず、無視され続けてきました。それが今、こうして声を上げ始めたということです。重く受け止めなくてはいけない」と話す。