なつ(広瀬すず)は「大草原の少女ソラ」の最終回放送後、妹・千遥(清原果耶)が切り盛りしている神楽坂の料理店「杉の子」に寄る。店には兄の咲太郎(岡田将生)、かつてなつたちが下宿していた新宿のおでん屋「風車」を営んでいた岸川亜矢美(山口智子)が、真っ赤なドレスを着て座っていた。
咲太郎「母ちゃんが帰ってきたんだよ」
孤児院を逃げ出した咲太郎を育ててくれた亜矢美を、咲太郎は母ちゃんと呼んでいた。
千遥「いま、ちょうど話を聞いてたところなの」
咲太郎「新宿にまた店を出すんだって。ムーランルージュの復活だよ」
亜矢美「だけど、まいったわねえ。この味には勝てないわ。普通のとどこが違うのかしら」
千遥「やっぱり、出汁でしょうか。一番だしだけじゃダメなんです。一番出汁をとったあとに、手間暇かけて二番だしをとることが、煮物では大事だと親方が教えてくれました」
亜矢美「言ってみりゃあ、私たちみたいなものか。家族の二番出汁でしょ。咲太郎も、なっちゃんも、千遥ちゃんも二番出汁があった。一番出汁の一番家族のことは忘れてないじゃない。それがもとだもん、二番だしは。味が出てくるわけだね」
泰樹じいちゃんが珍しく涙をいっぱい浮かべて・・・
なつたちは夏休みに十勝に帰った。夫の坂場一久(中川大志)、娘の優、そして妹の千遥とその娘の千夏も一緒だ。お母さんの富士子(松嶋菜々子)に優は抱き着く。柴田家はみんな大はしゃぎだが、じいちゃんの泰樹(草刈正雄)だけは照れて牛舎で仔牛を見ていた。
なつ「じいちゃん、ただいま」
泰樹「おお、お帰り。千遥もよう来たのお」
泰樹はそう言って千遥のことを包み込むようにギュッと抱きしめ、その顔からは涙がこぼれる。なつと千遥は、泰樹の深い愛情を感じるのだった。(NHK総合あさ8時)