高い塀に有刺鉄線、そして各所に設置された防犯カメラ。今月4日(2019年9月)、そんな高度なセキュリティーで固められた埼玉県三郷市の警備会社オフィスから3億6千万円を盗み出すという大胆な窃盗事件が発生した。公開手配から1週間、犯人の行方は未だ明らかになっていない。このまま迷宮入りして「令和の3億円事件」と呼ばれるようになるのだろうか。
入社して3年、現金管理のマネジャーになっていた犯人
事件が起きたアサヒセキュリティーは、契約店舗から売上金を回収し、金融機関に入金する現金管理に特化した警備会社だ。この会社の新三郷オフィスに勤める伊東拓輝(ひろき)容疑者(28)は9月4日に通常通り出社し、業務を終えて退勤した。
しかし、その日を最後に2日間無断欠勤。気になった同僚が容疑者宅を訪れたところ、もぬけの殻。不審に思った会社が防犯カメラを確認したところ、伊東容疑者が9月4日午前中に3億6千万円の現金を段ボールに詰める姿が映っていた。警察への通報は事件から2日も経った後で、埼玉県警は9日に全国手配をかけたが今も足取りはつかめていない。
伊東容疑者が入社したのは3年前。事件1か月前に現金管理部署のマネジャーに昇格、金庫に出入りできる立場になった。学生時代を知る人によると、成績優秀で物静か。友達は少なく、大それたことをするとは思えない人物だった。
元警視庁刑事の吉川祐二さんは、事件の計画性の高さを指摘する。9月4日は現金が動く5日10日の前日で現金が集まっている。10日経っても足取りがつかめないことから、偽造パスポートの入手なども含め、犯行後どこに逃げるかを入念に計画していたのではないかという。
3億6千万円の現金は36キロと、簡単に持ち運べる重さではないことから、共犯者の存在も考えられる。また、これだけのお金となると簡単に使ったり預けたりはできない。マネーロンダリングを行うグループを作っている可能性もある。
司会の国分太一「あれだけ防犯カメラがある中で、チェックするのがちょっと遅かった気もします」
千原ジュニア(お笑いタレント)「会社に入る前から計画を立て、これが目的で入社したこともありうる」
堀尾正明(フリーアナウンサー)「マネジャーは相当信頼がないとなれないはず。しっかりしているということを繰り返していた可能性も」
国分太一「伊東容疑者は車で出社する人ではなかった。(犯行に)車を使ったかどうかも判明していない」
盗難事件の責任だが、高橋裕樹弁護士によると、警備会社が責任を負い各企業に返金することになるという。フィナンシャルプランナーの佐藤陽さんも、社員の犯行なので保険が利かないのではという。
文・みっちゃん