台風15号の被害が大きい千葉県南部で、家屋修繕などに高額料金を請求する悪徳業者が横行し、被災者を追い込んでいる。被災地には東京都内や愛知、大阪ナンバーの車に乗った男たちがうろうろし、被災者のわらにもすがりたい気持ちに付け込んでいる。
県内で建設業を営む男性は、台風直後、瓦が飛んだ顧客宅の屋根をビニールシートで養生した上で、瓦を手配した。しかし顧客から突然「ほかの業者に頼んだ」と断りの電話が来た。不審に思い、顧客の自宅を訪ねると、そこには大阪「和泉」ナンバーの車に乗ったリフォーム業者を名乗る男たちの姿が。ちょうど支払いの場だったが、その額は18万円を超えていた。
男性が翌日屋根を確認すると、もともと養生してあった部分に、ガムテープを使って薄っぺらいビニールシートが貼られていただけだった。
業者が行った作業内容を伝えると、住民女性は傷ついた様子だったので、代わりに男性が業者に連絡。しかし、社長は「え?それは高いですね」「担当者は分かりますか?確認できないですね」などのらりくらりとはぐらかされ、その後電話はつながらなくなった。住民女性は「仕返しが怖いからもういい」と言ったという。
「1口3000円の義援金を」市職員を名乗る不審電話も
このほかにも義援金詐欺も横行している。佐倉市では市職員を名乗るものから「1口3000円の義援金をお願いします」という不審電話が続発。袖ヶ浦市では「市からの要請です」「無料です」などと、業者が屋根の修理を申し出てくる事案が発生している。市原市でも市職員を名乗るものから「屋根の点検に伺います」という内容の不審電話が相次いだ。また、多古町では夜中に何者かが玄関を開ける音がしたという報告がある。
市や町では、屋根の修繕などを依頼するときには、見積書や契約内容をよく確認すること」(袖ヶ浦市)、「『保険が適用される』『補助金が出る』など業者からの情報は簡単に信用せず、必ず確認すること」(館山市)など、住民に注意を呼び掛けている。分からないことがあったら、まずは役所に相談するのが賢明だ。
古坂大魔王(芸人・プロデューサー)「マジで相当のクズです。110番するのを躊躇する人も多いですが、前に警察の方と話したときに、『こっちは状況が知りたい。ちょっと怪しいと思ったら情報提供のつもりで110番通報をして欲しい』と言っていました」
司会の小倉智昭「お年寄りや女性は屋根に上って(作業を)確認することもできませんからね」
中江有里(女優・作家)「『信用するな、確認しろ』と言われても、こういう普通じゃない状況だとそれ自体がすごく難しい。助けてもらいたいという気持ちに付け込むのは悪質です」