小泉進次郎議員(38)の入閣を、永田町は「サプライズ人事」と騒がれている。これまでも入閣が取りざたされてきたが、そのたびに「自分にはまだまだ雑巾がけの期間がある」(2015年9月)などと否定、過去2度の自民党総裁選でも石破茂氏に投票するなど、安倍首相と距離を置くかのような姿勢を示してきたからだ。
ターニングポイントは先月(2019年8月)、フリーアナウンサーの滝川クリステル(41)との結婚を首相官邸に報告に行ったことらしい。ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「(首相との距離は)今もそんなに縮まっていないと思います。今回の入閣には、それなりの裏があるとは思います。菅さん(官房長官)が間に入って説得したとか、何かしらの事情があると思います」と分析する。
安倍首相の思惑「野に放って自由にさせるより取り込み」
安倍首相が進次郎氏を起用した狙いを、政治アナリストの伊藤敦夫さんは「憲法改正に向け、国民の支持が高い進次郎氏を入閣させたのでは」と話す。「(改造内閣の)柱の部分は留任。初入閣の13人は安倍政権では最多ですが、側近が目立ちます。歴史に名が残るような実績を上げるための布陣をしいたという印象です」
鈴木さんは別の見方をする。「求心力を維持していくため、進次郎氏を自由にしておくより、自分の傘の下に封じ込めたいのではないか」というのだ。進次郎氏の大臣としての資質は「未知数」という。
伊藤さんは「政策面で実績があるわけではないですし、国家の今後の方向性に関する理念も聞いたことがありません。『天才子役』から『大人の俳優』への第一歩に足をかけたところ。これから名優になっていくのか問われる時期です」
多忙な大臣が「育休」取れるのか?短期取得なら可能
進次郎氏は年明けに妻が出産したら、育休を取得すると話していたが、多忙を極める大臣という身で、それは可能なのか。鈴木さんは「短期で取る可能性があります。進次郎氏が育休を取れば、育休自体の論議が生まれるのではないか。少なくても、問題提起はしたのは間違いない。メディアや国民が育休を考えていくきっかけにはなります」と期待する。
深澤真紀(獨協大学経済学部特任教授・コラムニスト)「子連れ国会もいい。困っている女性がたくさんいるので、選択的夫婦別姓にも主体的になって取り組んでほしいですね。反対しているのは自民党だけなので」
伊藤利尋キャスター「とんがった発言を続けていくのか、閣僚になり丸く変化していくのか。これまでの歯切れが変わってきたら有権者の見方も変わってくるかもしれません」