「デザイナーズ住宅を低価格で」をキャッチコピーに2013年から宮崎県で住宅を建設している建設会社にトラブルが相次いでいる。
去年(2018年)4月、1850万円で鉄筋コンクリート2階建住宅を新築した荒木さん(28)だが、暮らし始めてわずか2カ月で異変が目立ち始めた。いたるところで雨漏りが発生、さらに床下にはびっしりと白いカビが。荒木さんは床板を替え、建築会社に問い合わせたが、具体的な解決策は何も示されなかった。
トラブルはそれだけではない。荒木さんの「荒」は通常の草かんむりではなく、「十」が2つ並んだ特殊な字体なのだが、当時交わした契約書にあるのは草かんむりの「荒」。印鑑も荒木さんが使っているものとは違い、契約書が偽造された疑いがあるという。
契約金を払ったのに工事が始まらないままの被害者も
トラブルは欠陥住宅だけではない。契約金を払ったにもかかわらず、一向に工事が始まらなかったという被害者も。去年4月に契約し、1000万円の契約金を支払ったAさんだが、予定地は手つかずで草ぼうぼう。建築会社に問い合わせると「今は忙しい時期なのですぐにはできません」と言われ、今年7月からは会社との連絡も取れなくなった。
一方、今年6月に契約したBさんは、7月に「着工予定が早まった」と連絡を受けた。Bさんは着工金750万円を支払ったが、こちらも工事は始まらなかった。会社に連絡すると「騙されるほうが悪い」と説教じみたことまで言われたという。建設会社は先月(2019年8月)30日に事業停止、その後破産手続きに入った。被害総数は10件以上、被害総額は1億2千万円以上とみられている。
破産手続きを担当する弁護士は番組の取材に対し、「詳細についてはコメントできない」としている。
相場より半分以下の低価格住宅は要注意
荒木さん宅のトラブルの原因だが、断熱材がないことによる結露や、通気口がないことによる湿気、耐震強度不足などが考えられる。
不動産コンサルタントの長嶋修さんによると、断熱材などは義務ではないが、コンクリートは結露することに加え、通気口がないとカビだらけになるため、一般常識では入れるという。
長嶋修さん「欠陥住宅には厳密な定義がないため裁判で争うのだが、今回は欠陥住宅といっていい。一方、文書偽造はあきらかな違法だが、やった目的がわからない」
番組調べでは、4LDKで131平方メートルの鉄筋コンクリート住宅の相場は4000万円。1850万円は半分以下の値段だ。長嶋さんは「破格で、この値段ではまともな家は作れないと思う」と語る。
司会の国分太一「お金を払った人は連絡が取れなくなり、お金を払っていない人には連絡している」
長嶋修さん「どうみても相手によって対応を変えている」
堀尾正明(フリーアナウンサー)「こういう建築会社に出会わないようにはどうすればいい?」
長嶋修さん「完成保証制度に加入している業者を選ぶこと、医師のセカンドオピニオンのように家も第三者に意見を求めるなどしたほうがいい。激安にも要注意。不動産は安物買いの銭失いになる」
みっちゃん