「秋の味覚のサンマですが、今年は1尾の値段が例年の3倍から4倍になっています」と森圭介アナが取り上げた。きのう8日(2019年9月)に開催された東京「目黒のさんままつり」に大竹真リポーターが出掛けた。「香ばしい匂いが漂っています。おいしそうに焼けています。脂ものっています」と、食べてみせる。
「やせ細ったサンマが1尾357円なんて、あり得ない」
ところが、今年は異変があった。サンマ漁の地元、岩手県宮古市産業振興部水産課の佐々木勝利課長は「今年はまったく水揚げがなかったので、去年水揚げされたサンマを冷凍保存されているものを7000匹届けました」と話す。目黒のさんままつりで冷凍ものが使われたのは初めてだ。
スーパーでもサンマは高級魚になっていた。「1尾357円なんて、あり得ないです。今の時季なら高くてもこの半値ぐらいですからね。しかも小ぶりです。小ぶりイコール脂が少ない」と、スーパー「アオダイ」の秋葉弘道社長も呆れる。客も「サンマは1尾100円ぐらいの印象ですからねえ」「まだ、食べていません」と話している。
とにかく、サンマがとれないのだ。8月の水揚げは去年8893トンあったが、今年は1007トンしかなかった。8分の1だ。サンマになにが起きているのか。
海洋ジャーナリストの永田雅一さんは、サンマ水揚げ激減の原因をこう見る。「日本沿岸の水温が高いのです。サンマが好きな水温は15度くらいで、水温が高いと沿岸には寄ってこず、沖合を南下してしまう」
その水域は日本の200カイリの外側で公海だから、中国などの大型船がごっそり獲ってしまう。