韓国の疑惑の「タマネギ男」チョ・グク氏。今度は妻のチョン・ギョンシム東洋(トンヤン)大学教授が私文書偽造で在宅起訴される騒ぎとなった。
コトの起こりは7年前。2012年9月7日にチョン氏が、娘の大学院進学を有利にするため、東洋大学総長の表彰状を勝手に偽造したというのだ。
先週6日(2019年9月)、チョ氏の法相への適性を審査する国会人事聴聞会が開かれたが、野党議員は正しい表彰状を示しながら「娘さんがもらったものとは違う。あなたの妻が偽造したなら犯罪になりますよね」と追及した。大学総長は「チョ氏の妻に口裏合わせを求められた」と証言している。聴聞会でチョ氏は、総長と電話で直接話をしたことも認めた。
微罪なのに取り調べなしで起訴した検察の目的は?
チョ氏は「偽造事実が明らかになれば、妻に法的責任がある」としながらも自身の去就については「私には公職として最後の使命がある。最終的に決めるのは任命責任者の文在寅(ムンジェイン)大統領」とあくまでも法相に就任する意欲を見せた。
私文書偽造の疑いで妻が在宅のまま電撃起訴されたのはその日の夜。7年間の時効が成立する直前だった。チョ氏は「被疑者を召喚せずに起訴した点は残念」とコメントした。
ソウル市民からは「疑惑に説明できていない。法相になる資格はない」といった声も出ている。
国際政治学者のクォン・ヨンソク一橋大学准教授によると、問題となった表彰状は、高校生相手に英語の教育ボランティアをしたというもの。入試における決定的な要素ではないが、こういう偽造を行ったこと自体は問題だという。
ただ、聴聞会が行われ、疑惑の追及もこれで終わりという最後の段階で、検察がここまで介入してくることは異例中の異例。そこには検察改革の阻止という検察側の思惑も見えてくる。